奈良大学での集団感染
前のページ
自由研究のコーナー
奈良大学での集団感染
 奈良市にある奈良大学の学生が結核に集団感染していることが明らかになった。保健所では早めの受診が予防につながると呼びかけている。奈良大学では卒業生も含めて9人が感染、このうち4人は発病したため治療や入院が続いている。奈良市の保健所によると今年5月、4年生の男子学生が発熱や咳が続き診察を受けて肺結核が判明。その後、同じ文科系サークルの学生や卒業生あわせて3人も発病したため、保健所と大学で検診、さらに5人の感染がわかったという。発病した4人は快方に向かっているというが、保健所ではセキや発熱が続いた場合には早めに受診することが感染の拡大を防ぐとしている。
(読売新聞ニュース 2006/08/03 18:21)

 奈良大学側の発表の中で「保健所から指導を受けた…」とあるが、これは特にDOTS(直接監視下短期化学療法)の実施を指しているものでは無いと思われる。単にレントゲン検査等で感染が拡大しているかどうかの特定と感染者の速やかな隔離という一連の流れの指導を受けたものに過ぎないであろう。
 入院患者については、飛沫感染の恐れがあるため、入院に至っているか、薬剤耐性菌の出現かのどちらかだと推察される。
感染の予防策であるが、結核菌は空気感染するがあくまでも結核患者の飛沫(咳やくしゃみ、タンと一緒に分泌される細胞液のなかに結核菌が潜んでいる)により感染する。通常のマスクを着用するだけで、感染経路を遮断できる。どうしても心配な人は、マスクを着用することをおすすめする。
文学部地理学科 山田裕士