長谷寺の文化財
参考資料:長谷寺のパンフレット、探訪・日本の古寺
文化財
国宝
本殿
銅板法華説相図
法華経の見宝塔品(けんほうとうほん)で、釈迦が説法していたところ、空中に巨大な宝塔が出現した場面を
表現したもの。大きさは縦84cm、横75cmの鋳銅の板に宝塔と諸仏が浮き彫り状に表わされている。
銅板の下部には長文の銘が刻まれており、そこには「戌年」に「飛鳥浄御原で天下を治めた天皇」の病気平癒
のため、僧・道明が作ったという意味のことが書かれている。
この戌年について、寺伝では天武天皇の朱鳥元年(686年)とするが、研究者の間では干支が一巡した文武天
皇2年(698年)の作と見る意見が多い。(奈良国立博物館に寄託)
法華経、観普賢経、無量義経、阿弥陀経、般若心経、計34巻−鎌倉時代に制作された「装飾経」のセットで「
長谷寺経」と通称される。本文の用紙は金銀の切箔などで装飾し、巻き軸には水晶を用いるなど、装飾をこら
している。
重要文化財
木造十一面観音立像(本堂安置)附 木造難陀龍王立像・像内納入品、木造赤精童子立像・像内納入品<秘仏のためお前立ちが立つ>
長谷寺の本尊像については、神亀年間(720年代)、近隣の初瀬川に流れ着いた巨大な神木が大いなる祟りを呼
び、恐怖した村人の懇願を受けて開祖徳道が祟りの根源である神木を観音菩薩像に作り替え、これを近くの初瀬
山に祀ったという長谷寺開山の伝承がある。伝承の真偽はともかく、当初像は「神木」等、何らかのいわれのあ
る木材を用いて刻まれたものと思われる。現在の本尊像は天文7年(1538年)の再興。仏像彫刻衰退期の室町時
代の作品だが、10mを超える巨像を破綻なくまとめている。国宝・重要文化財指定の木造彫刻の中では最大の
ものである。本像は通常の十一面観音像と異なり、左手に地蔵菩薩の持つような錫杖を持ち、岩の上に立つ姿で
ある。伝承によれば、これは地蔵菩薩と同じく、自ら人間界に下りて衆生を救済して行脚する姿を表したものと
され、他の宗派(真言宗他派も含む)には見られない独特の形式である。この種の錫杖を持った十一面観音を「
長谷寺式十一面観音」と呼称する。
その他の重要文化財
仁王門
登廊5棟(下登廊、繋屋、中登廊、蔵王堂、上登廊)
三百餘社
鐘楼
繋廊
絹本著色阿弥陀来迎図
絹本著色浄土曼荼羅図
紙本白描高雄曼荼羅図像(胎蔵界巻第一、三、四、五 金剛界巻第一、二 )
銅造十一面観音立像
木造地蔵菩薩立像
木造不動明王坐像
金鼓 建久三年銘
三鈷柄剣
赤糸威鎧 大袖付、白糸威鎧 大袖付、鷹羽威鎧 大袖付、三目札鎧、藍韋威肩赤大袖
銅錫杖頭 2柄 各建長三年銘
宋版一切経 2,766帖
僻連抄