雅楽について(前のページ)
雅楽
近代における雅楽の派生
 雅楽器を用いた宗教音楽、祭典楽、神社神楽などがある。 神社神楽「浦安の舞」「豊栄舞」、真如苑の古楽器 復元し仏教声明と融合した「千年の響き」、岡山県発祥の雅楽と邦楽の要素が合わさった「吉備楽」がある。


現代雅楽
 国立劇場では、雅楽の編成のための新しい作品を現代の国内外の作曲家に委嘱し、演奏している。国立劇場以外の民間でも同様の試みが行われている。特に武満徹の「秋庭歌一具」(1973年−1979年)は優秀な解釈により頻繁に演奏され、現代雅楽の欠かせないレパートリーとなっている。
 ポップスの分野では篳篥の東儀秀樹が、篳篥の音色を生かしたポピュラー音楽の編曲および自作を演奏し、メディアにも頻繁に出演するなど、雅楽のイメージを一新し一般に紹介している。


新鳥蘇
 新鳥蘇(しんとりそ)=納序曲、高麗楽、壱越調、大曲、新楽。舞あり(舞人6人または4人、文舞)。
 唐楽の四大曲(皇ジョウ・春鴬囀・蘇合香・万秋楽)に対する高麗楽の四大曲(新鳥蘇・古鳥蘇・進走禿・退走禿)の一。「納序曲」ともいわれるのは、高麗笛と篳篥の奏する「新鳥蘇」にだけ用いる前奏「納序」があるため。嵯峨天皇(在位809〜823)の代に、高麗の笛師下春が日本に伝えたといわれている。右方襲装束(常装束)の袍(ほう)を両肩ともぬぎ、半臂(はんぴ)を見せ(代用として前掛と裾を着ることもある)、柔和な表情の人面をつけ、この舞にだけ用いる特殊な冑(かぶと)をかぶり、太刀を腰に、笏を手にもって舞う。次第は納序(無拍節、篳篥と高麗笛と三ノ鼓)、古弾(無拍節、高麗笛の独奏)、当曲(四拍子、舞人の登場、当曲舞、後参の舞)。退場のときは奏楽なし。当曲が演奏されはじめてから舞人が登場、6人(あるいは4人)の舞人のうち下位の4人(4人舞では2人)は舞い終わると楽屋に戻り、そのうち2人は後参桴を舞台上の2人に渡して退き、舞台上の2人は後参桴をもって後参の舞を舞う。番舞は「皇帝」であったが、今は「蘇合香」。
 右舞は右方舞ともいい、左舞に対する語。主に高麗楽が中心であるが、唐楽による3曲の舞もある。
 現行の右舞は「振鉾」、「新鳥蘇」、「古鳥蘇」、「退走禿」、「進走禿」、「延喜楽」、「貴徳」、「胡蝶」、「胡徳楽」、「八仙」、「狛鉾」、「納曽利」、「皇仁庭」、「埴破」、「新蘇利古」、「蘇利古」、「綾切」、「敷手」、「仁和楽」、「長保楽」、「新靺鞨」、「林歌」、「白浜」、「地久」、「登殿楽」、「陪臚(唐楽)」、「還城楽(唐楽)」、「抜頭(唐楽)」がある。
 これに加えて、近年に再興された「蘇志摩利」も右舞に加える。
装束は緑色系統のものを着て、右足を基として進退し、正面に向かって左より進出し、右側の前を一 揩フ座とする。
 左舞は楽曲の旋律によって舞うが、右舞は拍節によって舞う。
 これは曲の演奏形式が違う為で、旋律に合わせにくいという事情もある為である。
 又、この他にも手の動き、足の動きの違いなどの違いもある。