花園の少年

第4章


全員「「「「「「!!!!!」」」」」」
突然の事だった。突然、次元がゆがみその場に居た者達、全員が別の空間に投げ出された。
真っ白だった。
上も下も右も左も。
ただ白という以外何もない空間だった。
ふいに人間の声が聞こえた。
「こんにちは。皆さん大丈夫ですか?」
少女のような、そして少し高い声だった。
しかしその声の主の姿はない。
「きさま・・・誰だ・・・?」
飛影が問う。しかし返事が来ない。
「僕ですか・・・?僕はレイって言います」
とレイと名乗った少女は姿を現した。いや、正確には”少女のような”子供だった。
彼の体躯は細く紅色の大きな目をしていて、少し長い紅の髪を二つに結んだ可愛らしい少年だった。
「レイさん・・・ですね?」
蔵馬が口を開いた。
「ええ。そうです。」
レイが蔵馬の質問に答えた。
「なぁレイ!俺達、さっき居た場所に戻りたいんだけどよ〜。おまえ知らねえか?さっきの場所に戻る方法!!」
幽助の質問にレイ以外の皆が幽助の質問に同意する。
「知ってます」
レイが瞬時に答える。
「しかし・・・教える事はできません」
その場に居たレイ以外の者達は皆、一瞬動きが止まった。
「それはどういう意味だ?」
そう言いながら躯は戦闘体制になった。それを見てはっとし、なんとなく皆がレイを警戒しはじめた。
その場に緊張が走る。
「教えてあげても、いいんですけど・・・。教えないで貴方たちをここにとどまらした方が、僕には都合がいいんです。」
「何故ですか?」
蔵馬がレイに問う。
「それはですね・・・僕は貴方達を殺さなくてはならないからです・・・・・・。」
「「「「「「!?」」」」」」
それだけ言い終えるとレイは手を広げた。
するとレイの手のひらが黒く鈍く輝き、その輝く部分の時空がゆがんだ。そして、その時空のゆがみから銃を出した。
「さよなら」
そうレイは呟くと銃を撃った。銃からは一発、弾が出て幽助達のもとへと飛んで行った。
「爆風障壁!!!」
陣が突風をまとい爆風障壁を出した。
レイを除く誰もが、もう弾は届かないと思った。
「・・・がっ!!!」
「「「「「!!!?」」」」」
しかし弾の勢いはとどまる事なく陣の下腹に当たった。
同時に陣はその場に倒れた。
陣の、何かに潰されたような変な声が、その何も無いただ白いだけの空間に響き渡った。
「陣!!おい!大丈夫か!!?」
幽助が叫んだ。
「あぁ・・・だっ・・・大丈夫だべ・・・・・・心配すんな」
しかし、その言葉とは裏腹に陣の下腹からは大量の血が流れ出している。
「レイ・・・・・・おまえ!!!」
突然の霊丸の爆音が響きわたる。
「!」
レイは驚き後ろへ飛んだ。しかし、腕に霊丸がかすった。
レイの腕から血が流れた。
「・・・・・・。驚きました。まさか撃ってくるとは思っていませんでした。でも、僕もこんな所で死ぬ訳にはいきません。だから貴方達を殺します。」

ばん。

レイがまた一発撃った。
「・・・・・・やはり貴方達はこれしきでは死にませんね。」
レイが口を開いた。皆はわけのわからぬまま、陣を気遣い、臨戦態勢になってレイを見ていた。
すると、レイが急に、はっとした表情になって飛影を見た。
「炎・・・晶・・・・?」
彼は確かにこういった。炎晶(えんしょう)と・・・
彼はもう飛影・・いや、炎晶しか見えていない・・・
レイ「よかった・・生きてたのね・・あんたが死んだなんて・・あたし・・・信じて無かったよ・・・。」
レイの目にはもう、陣を撃った時の残酷さなどまるで消え失せていた。そして・・代わりに炎晶を想う・・愛しさでいっぱいになっていた。
「……!?」
レイは飛影のほうへにじり寄ってきた。
飛影「くっ!」
異常に思った飛影はとっさに後ろに飛び退こうと身構えた・・・しかし・・・次の瞬間・・・・!!

パチィ

彼の周りに結界が張ってあった。
レイ「さあ、帰ろう・・・あたし・・あの氷女の・・氷菜の次で良いからさ・・・ねえ・・・」
そう言ったかと思うと飛影の近くに黒い塊が現れ、
飛影を包み・・・消えた・・・。飛影も一緒に・・・・
幽「っ!?飛影!?」
蔵「飛影・・・」
皆、為す術も無く、ただその場に呆然と立ちつくしていた…。

桑「おっおい。ちょっとまてっ!!
レイっての飛影の事「炎晶」って・・言ってたよなぁ?」
躯「炎晶ってなんだ?」
幽「しるかっ!!その前に陣だっ!!
早く手当てしなきゃなんねえ!!蔵馬っ!!
どうにかできるかっ!?」
蔵「やってみる。」
蔵馬は陣の手当てを始めた。
蔵「俺が陣の手当てをしている間に幽助達は飛影を探してくれっ!」
幽「わかった!!」
そして幽助達は飛影を探しに行った。
幽「しっかし。探すって言っても、何処を探せばいいんだ?辺り一面真っ白だぜ?」
そう。この空間に存在するのは白さだけである。
桑「へっへっへ・・・。」
やっと桑原が口を開いた。
幽「なんだよ桑原?いきなり変な笑い方しやがって。」
桑「おまえはバカか!?俺様には次元刀があるんだぜ!!!?」
幽「そうか!その手があった!!」
幽助が手を打つ。
そう確かに、桑原には次元刀と言う次元を切り裂く能力があるのだ。
桑「よおぉぉし!!行くぜ!!次元刀!!!!!!!!!」
桑原の手に霊力が集まる。
「はあああ!!!」
桑原の手から金色に輝く刀が出た。
「おりゃあぁぁぁぁぁ!!!」
桑原が叫び、刀を振ると同時に次元が切れる。


暗い闇の中・・・・飛影は目覚めた・・・・
飛「・・・・・ここは・・・・・?」
闇の中には、幾つもの光が浮かんでいて、上には、紅色や朱色・・・銀・・・藍色・・・様々な色のオーロラが
幾つも幾つも連なって浮いている。
美しいが孤独をかきたてられる光景だ・・・。
「あ・・・目を覚ましたのね・・。」
「大丈夫ですか?炎晶」
レイが飛影に問いただす。
「・・・・・・。」
「どうしたんですか?炎晶」
飛影は沈黙するのであったがレイがまた聞いてきた。
「貴様・・・誰だ?」
飛影が口をひらいた。少しの沈黙の後
「僕はレイと言う人間です。」
と返した。
レイは見た目では12歳ほどの子供のようだが、レイから出ている気は、とても12歳ほどの子供が持てるようなものではなかった。
「おい。貴様・・・本当に人間か?」
飛影がキツイ口調でレイに言う。
「ええ。僕は人間です。とても、愚かで醜くて汚い・・・人間・・・・・・。」
レイの気が高まった。そしてレイの目には、またさっきの、残酷さが戻っていた。
「さて・・・では貴方を殺すことにします。」
レイが笑顔で言った。笑顔と言っても口元だけが笑っているだけの笑顔であった。
飛影は、これはただごとではないことはわかったものの、意識がぼんやりしていてほとんど動けなかった。
「さようなら。」
するとレイはまたさっきの銃を出して言った。
銃を両手で構えて、飛影の胸に狙いを向けて、

ばん。

そして撃った。空薬莢が飛んで、弾丸は飛影の下腹に当たって穴をあけた。飛影はそこに倒れ、うつぶせになった。
「急所は、はずしておきました。では・・・・・・さようなら。」
そう言い残してレイは何処かへと突然消えてしまった。

「おい!!飛影!!大丈夫か!!!?」
幽助が必死に飛影の肩を揺さぶる。
「くっ・・・・・・・。」
飛影は撃たれた下腹をおさえながら、なんとか起き上がった。
と同時にその場に居た者達、全員が安心した。そこにはもう、完全とは言えないが傷の完治した陣と、陣の傷の手当てをしていたはずの蔵馬の姿もあった。
「それで飛影。さっきのレイと言うガキは何処へ行った?」
躯が飛影に聞いた。
「フン・・・知るか。」
飛影はとても腹が立っていた。

―人間であるレイに簡単に撃たれた事―

―あの時レイと、かなりの力の差を感じた事―

―自分はレイには絶対にかなわないと思ってしまった事―

全てが飛影には腹だたしかった。
躯「動くな!飛影!!」
もう動かすのも辛い筈の身体を動かす飛影を
躯が必死で押しとどめる。
蔵「よせ!!飛影」


第5章


深い緑色をした豊かな森と、澄んだ水が蒼い空を映す湖の中に、結界が張ってあった。その結界の中には数人の人影があった。そして、その中にはあのレイの姿もあった。
「なぁレイ。」
レイの近くに座っていたひとりの少年が口を開いた。
「なんだい?剣真(けんしん)」
レイが言った。
剣真と呼ばれた、少年の体躯は細く、背も高かった。
そして、立ち上がるとその綺麗な長い銀色の髪が揺れるのであった。
「ちゃんとアイツら殺してきたんだろうな」
剣真の透き通ったような青色の目がレイを睨んだ。
「うん。ちゃんと殺したよ・・・剣真。だから、そう睨まないでよ」
レイが笑顔で答えた。しかし、さっきのようなやはり口元だけが微笑んでる笑顔だ。
「炎晶も居たんでしょ?」
突然、金のかかった茶色の髪の少年が、その細い体をのばしながらレイに問いた。
「うん。居たよ。琴美(ことみ)」
琴美と呼ばれた少年は微笑んだ。その笑顔はたとえ男の子と言えど、とても愛らしかった。
「どうだった?」
琴美がニヤニヤしながら聞いた。
「なにがだい?琴美」
レイが聞き返す。
「だ・か・ら!炎晶どうだったって聞いてんの!!元気だった!?」
琴美が大声でまた聞き返す。
「ああ・・・そのことか・・・うん。元気だったよ。ただ・・・・・・。」
そこでレイが喋るのを止めた。
「ただ・・・?」
剣真が口を開く。

「弱くなってた・・・。」

レイが静かに言った。しかしその後、
「イヤ。“弱くなってた”って言うのはおかしいな・・・。どちらかと言うと僕が強くなりすぎたのかな・・・?多分」
とレイは付け足した。
「そっか・・・。」
琴美が残念そうに言った。
「まぁ、それは当たり前の事だろうな。・・・で、どれくらいの力の差があった?」
剣真がレイに聞く。
「そうだなぁ・・・。なんとなくだけどね・・・」
レイが口を止めた。
「この世界の果てから終わりぐらいまでかな?」
レイが全て言い切った。
「「「・・・・・・・・・。」」」
三人の間にしばしの静寂が続いた。
「これで分かったかい?剣真。琴美」
その静寂を破ったのはレイだった。
「「全然!!」」
剣真と琴美がそろって叫んで返す。
「レイ・・・。おまえの言ってる事って、つくづく訳が分からんな」
剣真が眉をしかめて言った。
「うんうん。確かに」
琴美が剣真に同意する。
「それでもいいと思うよ」
レイが言った。
「イヤ!!よくないだろ!!!!!」
剣真がレイに怒鳴りつける。
「まあまあ。レイが、言いたいのは“かなりの力の差”が、あったって言いたいんでしょ?」
琴美がその場をなだめる。
琴美の言葉にレイは頷いた。

そのころ、飛影たちは・・・・・
帰る道を探していた。
幽「ちくしょ〜〜〜出口はどこだよ」
必死で出口を探しているときふいに飛影がたちどまった
躯「どうした?飛影」
飛「What・・・・・」
躯「何!!!」
飛「What must we going to the they」
急に歌いだした飛影に躯は驚愕していた。
飛「Must I carry light ・・・・to・・・dark
What do I had going・・・?
May・・・・・・・・・・・・・」
そこまで歌うと飛影は倒れてしまった。
―飛影はお花畑をスキップしながら歌っていた―

そんな夢を飛影は見ていた。


何の夢かはわかりません。

けど・・・とても楽しい夢でした。
そのころレイも夢を見ていました。

何の夢かは分かりません。

けど・・・とても悲しい夢でした。

すると、レイは目を覚ましました。

そしてレイはこう呟きました。

 

「I don't trust you.]
飛影は目を覚ましました。

そしてレイのことを思い出しました。

「レイ・・・。」

と、飛影は呟きました。

そして言いました。


「I don't trust you.」

そして飛影は思いました。

 

―――レイ―――

―――貴方を信頼できないと誓います―――

―――貴方を信頼しないと誓えます―――

―――貴方を信頼できないと誓えます―――


終章


ここは・・・どこだ・・・?
そこは闇の中・・・なんだ・・・?光・・・?
ん・・・?中に何か・・・
あれは・・・・あの凍り付いて酷くいじけた国は・・・
氷河の国!?だんだん・・・近づいてくる・・・・
あれは・・・墓か・・・?
ん・・・?誰かいる・・・・二人・・?
一人は・・・雪菜!?
もう一人は・・・・泪!?
フッするとあの墓は氷菜の墓か・・・・
・・・・あの崖は・・・俺が捨てられた崖か・・・
周りが真っ暗になって・・・俺の意識は・・・闇の
底へ堕ちて言った・・・・・。深く・・・深く・・・

その闇の奥で、また、一人の少年を見つけた。
あれは………。
「……レイ?」
と、飛影が小さく呼ぶと、彼は静かに口元だけ微笑んで、飛影の方に振り返った。
その表情はおよそ人間らしい表情ではなかったが、飛影はもうそれに恐れはしなかった。
レイは飛影の心の奥底に眠る少年だった。
決して弱くはない、だが、どこか悲しい…。自分を醜く思う、綺麗な少年。
それがレイだった。
飛影がそう解った瞬間、
「おい!飛影!」
幽助の声で彼は目が覚めた。
そこは元の花園だった。
夢の中と同じような光景だったので、飛影は一瞬気持ちが悪くなったが、周りにいる仲間達を認めて、やっと彼は落ち着いた。
自分は今目覚めたのだということを知った。
飛「帰ってこられたのか…?」
現実の世界に戻ってきたことが理解できた。
幽「あぁ。お前が変な言葉呟いたと思ったら、すぐにお前が墜ちて、焦ってたら、急に目の前の空間が歪んで…」
桑「んで、そこを次元刀で切ったら、この花園に通じたってわけよ」
飛「…そうか……」
陣「?大丈夫か飛影?」
飛「あぁ」
蔵「一時はどうなるかと思いましたけどね」
幽「まぁ無事帰ってこられたんだからいいんだけどよ」
飛影が後ろを振り返ると、あの七色に光る壁が遠くに揺れていた。そして前の方にはあの隠し扉があった。
あの向こうへ行けば、自分たちは帰れる。
蔵「さ、早く人間界に帰りましょう。飛影も起きたことだし」
飛影以外の全員が、飛影を中心に輪になって立ち上がった。
飛「………」

 …帰ってこられたのか…。
だが、どうやって?

「そういえば、あのレイとかいうやつ、どこ行っちまったんだ?オレ達を殺すとか言っときながら、思いっきり生かしてるじゃねーか」
飛影ははっとした。
レイの顔が、彼の瞼(まぶた)の裏をかすめた。
自分たちを殺さず生かして帰した彼のことを思いだした。
飛「あいつは……
あそこに帰っていったんだ」
幽「へ?どこに?」
飛「ただ白いだけの、深い闇の中に……」

 

―――――完―――――






 


やっと完成しました〜;;リレー小説第1弾、ご執筆&ご愛読どうもありがとうございました!
編集作業に時間かかってしまって申し訳ありません;;
でも読んでて面白いですねvvうきゃきゃ(何;;)
編集すんの、もうちょいいろいろいじくろうと思ってたんですけど
原作尊重のため誤字脱字と(これでも間違ってるかも知れないけど;;)
改行だけ手ェ加えて
あとは投稿してくださったそのままでございますvv
貴方の書いた文章はありましたか?
「終章」の部分はほとんどうちが書き足したものなのですが
かなーり無理矢理終わらせてます(汗)「白い闇」ってなんなんだよ;;
うちにとってはちょっと難しいお話でした(^^;)
リレー小説第2弾またやるつもりです。
その時は第1弾に参加出来なかった方も
どうぞふるってご参加下さいvv
ではでは☆

2003年11月3日


☆書いてくれた方☆
ZOROさん、部長さん、龍魔さん、夜莉チャンさん、安奈さん、奏音さん、トロさん、はーとさん、みゃ〜さん、RAYさん、ビスケ隊!!さん、白考さん、黒タカ

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