木質構造の学習 - No.13 木材の乾燥

3.乾燥の必要性

2004年6月

昔はよく乾燥した材を使用してきたため、現在まで残っている築100年を超えるような木造建築物が、木材の耐久性を証明してくれているが、もし乾燥をほとんどしない状態で建築物に使用した場合は、その耐久性は低下するであろう。

この木材乾燥を行うことによって、木材の含水率を一定の値までコントロールした材は、前記の問題の発生がかなり解決され、不具合が起こりにくくなるという利点がある。

乾燥材と未乾燥材

一般に、乾燥材をKD材、未乾燥材をグリーン材と呼んでいる。

グリーン材は英語のGreen Woodの略で,一般的には伐採直後の木材のことである。乾燥現場では丸太から製材された多くの水分を含み、まだ乾燥過程を経ていない木材をさし、日本語では生材とも言われている。

具体的に含水率何%以上の木材をさすかは限定されていない。

KD材はKiln Dry Woodの略で,乾燥機(Kiln)を用いて人工的に乾燥させた木材を意味し、天然乾燥(Air Dry)だけの木材は厳密に言えばKD材には当たらない。

日本では,木材の乾燥程度を日本農林規格(JAS)によって規定している。(下表)


JAS製品の含水率規格

建築用針葉樹製材の乾燥度を,含水率によって三種類に区分され、含水率25%以下をD25,20%以下を20,15%以下をD15とし、これらの記号・数値が表示されている柱材などがある。(下写真はKD材の梱包)



 ©Tahara Architect & Associates, 2004