木質構造の学習 - No.13 木材の乾燥

2.木材の含水率が高い場合の問題点(続き)

2004年6月

・横架材端部の仕口部分でめり込み

木材の乾燥が不十分であると、木材自体の性能が若干低下する。

特にめり込みに対する抵抗が低くなり、梁の端部がめり込み易く、たわみ増大の要因となる可能性もある。


  
梁仕口端部のめり込み


・耐力要素への影響

日本の伝統構法である、「木組み」を用いた貫の耐力壁では、木と木の組み合わせにより耐力が発揮される。(下写真)


貫の耐力壁

乾燥が不十分であれば、くさび等で締め付けを行ったとしても、乾燥により、貫と柱との接触面に隙間ができ、ある程度変形してから耐力が発揮されるため、初期の耐力が低くなる。


 ©Tahara Architect & Associates, 2004