木構造建築研究所 田原

本ページの内容は2004年改訂版の耐震診断法に関する説明です。2012年改訂版の内容には対応していません。
2012年版については「耐震診断ができる、わかる。耐震補強マニュアル」をご覧ください。

3.2.3 保有する耐力の算定

保有する耐力Qdは下記のいずれかの方法で求める。

方法1 (耐力壁構造の場合)
Qd = (Qwn + Qww) x Fs x Fe
方法2 (垂壁付独立柱の多い構造の場合)
Qd = (Qwn + Qc) x Fs x Fe

(1) 壁の耐力と剛性

無開口壁の耐力Qwn及び有開口壁の耐力Qww。

無開口壁の耐力Qwn = Σ(Pw0 x l x min(Cf, Cdw))
有開口壁の耐力Qww = Σ(Pw0 x l x Ko x min(Cf, Cdw))

無開口壁の剛性Swn及び有開口壁の剛性Sww。

無開口壁の剛性Swn = Σ(Sw0 x l x min(Cf, Cdw))
有開口壁の剛性Sww = Σ(Sw0 x l x Ko x min(Cf, Cdw))

壁の耐力は基準長さあたりの耐力x長さを集計して求めます。

柱頭柱脚の接合強度による低減や劣化の影響による低減は各壁要素ごとに行います。柱頭・柱脚と劣化の影響は耐力の低下という意味では同様の現象なので、いずれかの小さい方の低減値を採用します。

有開口壁についてもそれぞれ開口の大きさに応じて低減を加えます。開口低減は壁面積が変化するので、柱頭柱脚や劣化とは別に独立して考慮しています。

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