木構造建築研究所 田原

本ページの内容は2004年改訂版の耐震診断法に関する説明です。2012年改訂版の内容には対応していません。
2012年版については「耐震診断ができる、わかる。耐震補強マニュアル」をご覧ください。

1 診断法の概要

1.1 適用範囲

診断の対象は、在来軸組構法、伝統的構法、枠組壁工法の3つとなっています。丸太組構法や各種の認定構法といった特殊な設計法は一般的な情報では診断が難しい為、対象外となっています。

混構造については立面方向の混構造の木造部分のみが対象となっています。解析が難しい平面的な混構造は対象外です。


軸組工法について、対象となる建物を建設年次で分けると、大雑把には昭和56年の建築基準法改正(新耐震)と平成12年の建築基準法改正が別れ目になります。

昭和56年以前 昭和56年〜平成12年 平成12年以降

・現行基準よりも必要壁量が少ない。

・接合部の金物による補強がほとんどない

・柱頭・柱脚の補強金物が規定されていない。

・壁のつりあい良い配置についての規定が無い。

・柱頭・柱脚の補強金物が規定される。

・壁のつりあい良い配置について規定される。

基準耐力が1.5倍に引き上げられる。

昭和56年の改正において壁量が改正される以前の建物は、大地震時においては耐力が不足して危険である可能性が高いといえます。耐震診断は行っておく必要があると思われます。

昭和56年〜平成12年の間の建物は、壁量的には現行の基準と同じですが、柱や筋かいの接合部に関する規定や壁のつりあいよい配置についての規定が定められていなかったため、耐震性能に問題がある場合があります。耐震診断を行うことが推奨されます。

平成12年以降の建物はおおむね安全であることが多いと考えられます。

©2004, tahara architects. last modified 2004/07/28