この柱カウンターウェイトについては住・木センターにおいて企画されている耐震補強マニュアルで木構造建築研究所 田原が提案した隅角部柱については、負担面積とした1間角(1.82x1.82=3.31u)程度とした柱カウンタ−ウェイトの妥当性が検証されたものと思われる。
なお、内部柱についてはこの実験においても解明されたとは言い難いので、きちんとした計測において検証しければならないものと思われる。
この実験では終局状態である30mm程度(変形角でいうと、1/30rad程度)まで柱を持ち上げて柱カウンターウェイトの影響を調査し、かなり大きな柱カウンターウェイト値を測定できていることは上記でも述べているが、このことは終局状態においても柱の浮き上がりに対して金物のみで抵抗させるのではなく、柱カウンターウェイトの効果も考慮できるということが証明されたのである。
柱カウンターウェイトという抵抗力を考慮することにより、日本古来の伝統構法の建物についても、耐震補強において金物で緊結する抵抗機構としなくても、ある程度は浮き上がろうとする力が発生するが、柱カウンターウェイトにより倒壊は免れるということが考えられるのである。