NO.9においては、負担面積における梁の持ち上がりを3次曲線的モデル化にて算出をするとX・Y方向とも梁の持ち上がり起点が継ぎ手位置及び梁の全長を大きく超えてしまい、柱カウンターウエイトの値が大きくなりすぎたので、直線的なモデル化のみにて負担面積を算出した。
NO.9においては、2階床面を持ち上げる形態となった。NO.1, NO.2と違い、2階床面の構成は転ばし根太の上,板張りとなっていたが、NO.1, NO.2と同じく床面全体で浮き上がりに抵抗する挙動となった。
さらに近接する2階管柱・壁等により、その上の屋根荷重が浮き上がり抵抗力となって変位がさほど上がらずとも、荷重が増大する結果となった。
柱の持ち上がり変位が2.5mm〜5mmでは、上部重量(屋根荷重+2F内壁重量)を加えると測定値にくらべて算定値がかなり大きくなっている。
しかし、10mm以上の変位では、上部重量を加えないで求めた算定値は測定値よりもかなり小さく、上部重量を加えた場合では、算定値と測定値が近くなっている。
この現象は、変位が小さい範囲では柱カウンターウエイト自体がさほど大きくないので上部重量まで抵抗力として含まれないが、変位が大きくなっていくにつれ柱カウンターウェイトも大きくなり、徐々に上部重量まで抵抗力として影響すると推測される。
(ただし、上部重量については床均し荷重にて算出しており、上部重量についても同様の負担面積の重量として算出している。
また、NO.9の測定位置の選択において、測定柱直上に2F柱がないことと、周囲に位置する柱も半間以上離れているということを考慮したので、このような結果となったと考えられるが、直上に柱が存在したり、周囲半間以内に柱が存在する場合には、柱の持ち上がり変位が小さい範囲であっても、上部重量も抵抗要素として含まれる可能性がある。)
今回の実験を結果を見る限りにおいては、梁の方向性や根太の方向性といった床組みの方向性の違いで、モデル化置換面積における差異は生じないものと思われる。