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柱カウンターウェイト検証実験(前編)


1.実験目的

1−2.実体に即した柱カウンターウェイトの考え方

現在の柱カウンターウェイトの算出法としては、屋根・2階床及び外壁と内壁の仕様から定まる「単位重量」と柱の「負担面積」との積、つまり柱の長期軸力という考え方から求められているが、「負担面積」については、梁の掛かり方等を考慮して上記の構造計算の手引き書から算定しているが、その計算方法の検証は皆無である。

4.0m程度の長さの梁の下にある耐力壁の耐力を算定する場合には、実際の各柱のカウンターウェイトについては各柱の長期軸力だけではなく、梁の長さ部分にかかる荷重の押さえ込み効果が加わるはずである。

これより、柱カウンターウェイトの算定手法としては、対象となる柱の直上横架材に掛かる影響荷重を精密に求めることが重要となる。

以上により実体に即した柱カウンターウェイトの算定法を確立するために、解体家屋を用いた現場検証実験を行い、柱長期軸力と柱カウンターウェイトの実測値とを比較する。

更に実験結果から、柱カウンターウェイトの負担面積の算定法について検討する。

※注意点として、建物形態としては、総2F建ての場合や、下屋付きの場合も検証しなければ建物全体として、柱カウンターウェイトとしてどのように作用するのか解明できないと思われる。

また、外壁等に剛性の高いラスモルタル等がある場合には、その抵抗要素が、かなりの割合で抵抗するため,架構体と切り離し、影響を排除した形で実験する必要があると考えられる。(今回の検証実験ではモルタルの効果についても調べるため、壁をそのまま残した場合と、モルタルを軸組み要素から切り離した場合の2通りについて行う)

さらに、内部床構面に吹き抜けがある場合には直交梁の効果がなく、階段室においても同様なことがいえるので、建物の実体を考慮した検証実験が必要である。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2004