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釘の打ち方まで注意する必要性


@はじめに

面材自体が変形すると誤解されがちだが、一般に使われている仕様の面材貼耐力壁の耐力は、多くの場合、ファスナー(釘やビス等の接合具)部分の耐力で決定される。

また、補強金物類の耐力も多くの場合ファスナーの耐力で決定されている。

ファスナーの耐力は長さや径のほかに打ち方・取付け方も影響するため、釘やビスを適切に設置することは耐力壁や補強金物の耐力を発揮させるためにきわめて重要であり注意が必要なことなのである。

実際に釘の打ち方が耐力にどれほど影響を与えるか、合板貼耐力壁の例をあげてみる。

耐力壁の耐力を計測する実験を行う(計算で耐力を求める場合も、釘の耐力は実験することになっている。)場合、常識的に考えれば、わざと乱雑につくったりした試験体を使って実験することはまずない。

大体は、標準程度ということで、そこそこきれいに作られている。釘に関して言えば、大抵は手打ちで打たれ、釘の頭が合板の面にあうように作られる。

耐力壁の耐力などはこれらの試験を元に決められているので、本来ならば、実際に作る際にも、同じ程度の施工が要求されるはずである。

しかし、実際のところ、釘打ち機などを導入している現場などでは、明らかに打ち込みすぎの釘が見受けられることがある。

このような面材貼耐力壁では何がおきるのだろうか。

2003年の春に、私が講師をしていた職業能力開発センター(岸和田)のセミナーでもこの話が出て、授業の一環として構造用合板耐力壁の実験をする機会があった(HD金物の実験と同時)。


それ(引き寄せ金物における背割りの影響)を理解してもらうため、筆者が行なった実験のデータを基に説明したいと思う。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2003