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杉の板材を利用した水平構面の性能実験


A実験概要



令第46条第4項表1の(八)に基づく木造軸組耐力壁の試験法、評価法

施行令第46条第4項表1の(八)に基づく木造軸組耐力壁の試験方法と評価方法を示す。

これは、指定性能評価機関が耐力壁の倍率を評価する場合に採用する方法である。

以下は面材系耐力壁の方法であり、これまでの方法(日本建築センターの低層建築物の構造耐力性能評定に関する技術規定・木質系)と大きく異なる点は次のとおりである。



@ 試験では、せん断要素である面材が先行して終局破壊をするように、軸組の仕口部を補強する。

A 安全限界に対応するために、正負交番繰り返し加力とし、繰り返し加力に対する性能を確認する。

B 倍率を算定する基準耐力は、降伏耐力Py、終局耐力Pu×(0.2/Ds)、2/3Pmax及び特定変形時の荷重の各平均値にそれぞれのばらつき係数を乗じて算出した値のうちで最も小さい値とする。

C 壁倍率=1を算定する数値は1.96kN/m(200kgf/m)とする。



1. 標準試験体

@ 軸組寸法:標準試験体は2Pとし、幅1.82m(又は2.0m)、高さ2.73m程度とする。

A 軸組は柱、土台、間柱、梁等で構成する。木材は梁を米松、他は杉とする。

B 柱の仕口はほぞ有りとする。面内せん断試験時に、柱頭、柱脚部の仕口が先行して破壊しない構造方法とする。(金物等で仕口を補強する。)

C 試験体数は、3体とする。





試験体概要


2. 試験体の設置と試験方法

試験方法

@ 加力方法は正負交番繰り返し加力とし、繰り返し履歴は真のせん断変形角が1/600、1/450、1/300、1/200、1/150、1/100、1/75、1/50redの正負変形時に行なう。

A 試験体3体のうち1体は、同一荷重段階で3回の繰り返し加力を行なう。

B 最大荷重に達した後、最大荷重の80%の荷重に低下するまで加力するが、試験体の変形角が1/30rad以上に達するまで加力する。


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 ©Tahara Architect & Associates, 2003