N邸 耐震改修工事

補強後

 

入り口より外観を見る                 庭より外観を見る

施主より「『阪神・淡路大震災』以後、自分の住んでいる住宅が不安になり、大地震が起こって、大きな丸太梁が落ちてきたりしたら怖い」というこで、建築基準法レベル(500年に一度のきわめて稀に起こる大地震に対して大破はするが倒壊はしない)ではなく、中破程度の被害は受けてもいいが、「過度な恐怖感を感じない耐震性能を有した性能にしてほしい」という要望があり、耐震補強をその性能を有するリフォームと一緒にする事となったものである。

この住宅に影響を与える地震は、山崎断層や北但馬で起こると予想される地震等で、兵庫県における地震の災害想定で震度6強程度が想定されている地域にあり、その地域に対応する性能とした。




 

リビングより玄関を見る                 玄関より床の間を見る

補強前の性能が旧評点で現すと 0.5 を下回る性能であった。

補強後の耐震性を2004年7月に発行された「木造住宅の耐震精密診断と補強方法」(改訂版)における精密診断1又は2で評価すると、評点が 1.5 相当である。

その耐震性能アップの主要な点は、「1」建物重量の軽減化、「2」耐力要素の増強・増設、「3」水平構面(屋根・床)の増強、「4」接合部の強化(基礎の鉄筋コンクリート造化を含む)である。




         
    リビングを見上げる           和室と北側廊下の境界の柱脚根継ぎ



 

南側の縁側廊下          北側の廊下



 

ツルの彫刻を施した埋め木           ひょうたん型の埋め木

本建物においては、今後100年以上先まで見据えて、劣化した部分は取り替える事が可能なシステムとしており、補強で使用している材料は現代工法ので使用されている材料(新建材等)で、50年を超える耐久性においては信頼のできるデータがほとんどないため、経年劣化も考えられることを考慮した。

そのため、10〜20年に一度は定期的なメンテナンスを行い、劣化した部分が見られたら取り替えるようにする必要がある。

これを人間の体で例えると、40歳を超えると人間ドックに入って検診し、悪い所が見つかれば、薬や手術により適切な治療を行なうのが一般的であり、建物も同様に、新築した時が20歳と考え、その後は劣化することを考慮して、定期的なメンテナンスを行う事で劣化の箇所を早期に見つけ出し、劣化した材の取替え等を適切に行う事で、100年以上住み続けることが可能となっている。




©Tahara Architect & Associates, 2005