光明寺 耐震改修工事6.耐震補強案

6-2 現況の問題点

現況の耐震性能が低いことについて、「5.調査表」の結果より下記の問題点が挙げられる。

@ 劣化度係数( Rd=0.9 )が低い:建物の老朽化が要因

一部の外壁に、1995年の阪神淡路大震災の際に生じたと思えるひび割れがあり、また長年の風雨により劣化が随所に生じており、建物全体が歪んでいる。

この要因により全体的に耐力が低減(保有限界エネルギー: Euo が1割減)されるので、耐震調査にて確認された不具合を補修することが望ましい。



A 基礎形式係数( Rb=0.7 )が低い:「ひび割れた布基礎」が要因

耐震調査結果、布基礎の立ち上がり部分で5箇所ほど、クラック・ひび割れた個所が発見された。

この要因により全体的に耐力が低減(保有限界エネルギー: Euo が3割減)されるので、ひび割れ・クラックを修繕し、布基礎を鉄筋コンクリート造で補強した上で又、足固めを補強することが望ましい。



B 保有限界エネルギー( Euo )が低い:全体的に、耐力要素(壁)が少ないことが要因

特にY(南北)方向には内・外壁とも少なく、壁を新たに設けることが望ましい。

又、X(東西)方向は本陣側に壁が偏り、本堂の前面に壁が無いために、壁のバランスが悪くねじり応力が発生し、地震力が割増(入力エネルギー: Ed が3割弱増)されている。



C 入力エネルギー( Ed )が高い:建物が重いことが要因

建物の重量に比例して、地震力(入力エネルギー: Ed )が大きくなる。特に土が載っている本瓦の屋根は重い(建物重量の約8割が屋根荷重)ので、瓦を土無しタイプに葺き替えることが望ましい。



これらの問題点を改善することにより耐震性能がよくなるが、次項において具体的な補強計画案を提案する。


 ©Tahara Architect & Associates, 2003