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〜つれづれなるまるこ〜
blog/essay
4 ピアノとオーディオ
オーディオでは楽器の演奏を楽しむという場合が多いのですが、この生の楽器というのが、意外に曲者なのです。
製造元のメーカーが異なる場合、例えば、ピアノでも国産の2大メーカーであるヤマハとカワイでは、音が違うのは当然なのですが・・・
今から35年ほど前にお客様からのご依頼で、ピアノを選ぶ機会がありました。
演奏家の定番でよく使用されるスタンウェイのアップライト型(ピアノ)が、たまたま3台揃って大阪の近鉄百貨店に入荷したそうで、 その内の1台を購入するので、その中のどれが一番良い音かを選んで欲しいというのが、ご依頼の内容でした。
百貨店に同時に同じ型番のスタンウェイが3台。こんなチャンスは滅多に有りません。
その時 、私は立ち会って驚いたのは、本来同じ様に聞こえるはずの全く同じ品番の3台の音を聞くと、それぞれが全く違って聞こえるのです。つまり、全く同じ製品でありながら、違う音を奏でるのです。
この3台ですが、(無論、当時の国産メーカーよりは遥かに素晴らしい音なのでしたが、)それを松竹梅と仮にランク分けしたとすると、「梅」は松の半額であっても買うのをためらうほどのものでした。
しかしながら、それは音質の点のみでの評価で、木目は竹と梅が良く、松は一番残念なものでした。
お客様は私の聴感を試したいというお気持ちもあったようでしたので、私は音の点でいちばん素晴らしかった「松」をお勧めし、それに決定されました。
オーディオの音からの常識とされていた点は、音を決定するのがスピーカーであって、その割合は80%程度とされていて、ほぼ音を決めると聞いたことがあります。
しかしながら、私がオーディオに携わる中で知った事は、先述の話で例えますと、それはヤマハとカワイの音の差であり、違うという点ではありますが、大勢を決定する点ではない事を知りました。
それをドライブするシステムで、缶詰と生に近い差が出ることを知ることができました。(2013.02.20)
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