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私は、オーディオと食べ物に共通した点がある様に思っています。
味の世界でも、良く一般的に美味とされている食材を使用される料理人さんがいらっしゃいます。例えば「世界の三大珍味」や有名ブランド牛肉、蟹、ウニ、アワビなどです。
無論それなりの理由なのだと思いますが、私はその反対に安価で、美味とされていない食材を使い、「美味に仕上げる」料理が好きで、そういう方が腕の良い職人さんだと思う一人であります。
オーディオでも、高価な真空管や部品を使用するのを良しとされる方も多く、それはそれで、楽しいことだと思います。
ただ、例えば300B(ウェスタン)や 2A3※1、等のカソードのない球のシングルアンプ※2の場合、ヒーターハム※3がとれないとして、直流点火されるのが殆どですが、これは少し問題が生じます。
バイアス電圧が極性を持つ為、変位してしまうからです。
私もウェスタンの300Bのシングルアンプ他を受注しましたが、ヒーターはかならす交流点火で、しかもハムは感知限界外としました。
そうでなければ、お客様にお納め出来ません。
私個人の考えですが、直流(DC)点火で逃げなければならない様でしたら、これらの球の使用は控えられる方が、球のヒーターの寿命も関係しますので、良いのではないでしょうか。
カソードがあってもよいと考えております。(2013.02.18)
※1 300B/2A3 :真空管アンプの製品名
※2 単管で増幅作用を行うシンプルなアンプ
※3 ヒーターからの電磁誘導でハムを拾う事、ハム音についてはこちら(Wikipediaを開きます)