白浜温泉・湯の峰温泉の高温泉はプレートが熱源
火山が近くにないのに高温の湯が湧く南紀白浜付近の温泉の熱源は、これまで考えられてきたような岩が溶けた高温のマグマでなく、地下深くに太平洋から潜り込んだプレートからにじみ出た高温の水分であることが核燃料開発機構の調査でわかった。

同機構の研究グループは、地下電流の流れやすさの計測から、南紀の地下10から15km付近に、温泉の熱源となるような高温部分があることを発見。この高温部分の正体は、地下約30kより深い部分に横たわるフィリッピンプレートから絞り出されて上昇してきた高温の水をたっぷり含んだ岩盤であることもわかった。
この高温の岩盤に地表から染み込んだ地下水などが接して、加熱され、和歌山県の白浜温泉(78℃)や湯の峰温泉(92・5℃)などで高温の温泉が湧き出す原因になっているという。

     
        白浜温泉崎の湯                     湯の峰温泉源泉風景

プレートは地球表面を覆う厚さ10から100kmほどの板状の岩盤。地球全体が10数枚に分かれ、それぞれ毎年数センチずつ移動している。
プレート同士でが押し合う場所では地震が起きやすい。プレートが沈み込むと、そこで火山の原因となる溶けた岩石マグマを作る。
読売新聞 2004.4.28