観光ガイドブックの「るるぶ四国」に記載の「四国定番の旅18ヶ所」に「うだつの町・脇町」が紹介されていた。そこで旅の初日、鳴門の渦潮と大塚国際美術館を観光した後、この町にやって来た。
徳島自動車道の中程、脇町ICからすぐ四国三郎・吉野川中流北岸にある脇町は、江戸時代から明治時代に阿波藍(あい)の集散地として栄えた。商人屋敷や蔵が400mに渡って立ち並び、白壁・本瓦葺き、そして隣家との境に「うだつ」と呼ばれる袖壁が上っている町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
我々の世代がよく使う「うだつが上る」「うだつが上らない」の「うだつ」は、もともとは防火壁として造られたが、明治時代になると化粧うだつに変化、繁栄・富を競うものとなった。よく見比べると高さや意匠が一つ一つ違い、それぞれが個性的で面白い。
山田洋二監督の映画「虹をつかむ男」の舞台にもなった町は、ぐるりと一周すると3時間ほどかかるが、先を急ぐわたし達は、愛犬を連れてメイン通りを散策する程度で観光を終えた。
尚、車で行くとこの古い町並みの通りに入ることが難しい。一番分かりやすい方法として、町内にある「道の駅・藍ランドうだつ(トイレと駐車場のみ)」に車を停め、案内看板に従がって古い町並みに進めばよい。
江戸時代・明治時代を偲ばせる町並み
白い部分が「うだつ」
四国・3泊4日の旅の初日、神戸淡路鳴門自動車道で2つの大橋を渡って、鳴門の渦潮・大塚国際美術館を観光。その後、徳島自動車道に乗って「うだつ」の町・脇町を散策してから、今夜の宿泊地・塩江温泉に向った。
ところが、国道193号線が前日の土砂崩れで閉鎖、両側で1.5車線もない県道105号線に迂回させられ、冷や汗をかくすれ違いの連続で、ようやく塩江温泉に到着した。
住 所 |
香川県香川郡塩江町塩江通り21-1 |
電 話 |
087−893−0320 |
交通機関 |
高松自動車道高松西ICから約20km
JR高松駅からコトデンバス塩江行で1時間塩江下車すぐ
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施 設(日帰り) |
休憩室(無料) 個室(2時間3000円) 駐車場80台 |
宿 泊 |
25室 平日 13,000円〜(変更されている可能性があるので下記旅館HP参照ください)
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泉 質 |
単純硫化水素泉 (16リットル/分 pH8.2 泉温18℃ 無色透明 僅かな硫化水素臭) |
適応症 |
不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照) |
入浴時間(外来) |
10時〜21時
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定休日 |
無休 |
入浴料金 |
大人800円 露天風呂と両方入る場合は1,000円 |
入浴施設 |
内湯男女各1、露天風呂男女各1、貸切風呂2 |
浴室備品(立ち寄り湯) |
シャンプー、ボデイソープ、ドライヤー、ロッカー |
観光スポット |
脇町、栗林公園、祖谷かずら橋、大歩危小歩危、金比羅宮、善通寺本山、鳴門の渦潮 |
お土産・食事 |
食事:昼食館内で可能か確認漏れ。土産:宿泊時、旅館に土産は一切置いてなかった。 |
近くの温泉 |
塩江温泉(行基の湯、奥の湯温泉)、薬師湯温泉、美馬温泉、香南楽湯、高松クレーターの湯
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塩江町HP
華乃荘HP |
http://www.town.shionoe.kagawa.jp/shionoe/index.asp
http://www.shionoe.co.jp/ |
雑記帳 |
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下記データは変更されている可能性もあります。事前にご確認ください。
塩江(しおのえ)町は、香川県のほぼ中央部最南端にあり、南は徳島県に接している。県都の高松市へは、約25km、車で約40分の距離にある。
町の総面積の84%が山林を占め、南に行くほど標高が高くなる。1000m級の山が背後に控え、町全体が阿讃山麓自然休暇村に含まれていて、自然に恵まれた峡谷型の町である。
塩江温泉は、讃岐山脈から流れ出してくる香東川の畔に10軒ほどの旅館が立ち並ぶ、四国では大きな温泉地だ。
3泊4日の四国の旅の初日にここを選んだのは、後述する旅館・華乃荘の木立の中にある風情タップリの露天風呂の写真が目に留まったことと、何ヶ所かの観光(鳴門・渦潮、脇町など)の行程によるものだった。
山峡にあるこの温泉地の歴史には、例によって行基や弘法大師(この2人が開湯したという伝承は、全国にうんざりするほど多い)の名が出てくる。これはともかく、江戸時代には湯治場として利用されているので、歴史ある温泉地であることは間違いないようだ。
季節の移ろいに応じて、春の桜、初夏のホタル、秋の紅葉といった自然の楽しみが味わえる。
2000年4月には、道の駅「しおのえ」に隣接して、公共の温泉施設「行基の湯」がオープンして、気軽に入浴が楽しめるようになった。
香東川の河畔、背後に木々が茂る自然豊かな環境にある中規模旅館で、客室数は25。和室が中心だが洋室も2室あり、何れBT又はT付き。今回の宿泊料金は16,000円だったが、詳細については旅館HPを参照ください。
夕食・朝食とも庭園を望むレストランで取るが、料理はごく標準的な会席料理だ。
さて、風呂は男女別の大浴場の他に、館内から庭の小道に出た先に男女別の露天風呂と貸切露天風呂が2つある。
大理石を用いた大浴場は年季が入っているが、浴槽が2つあってかなり広い。大きな窓の向うには人工の幅広い滝が流れ落ちて風情がある。しかし、湯は特色がないさらさらした肌触りで、温泉かどうか定かでない。
ここの売物は、なんといっても黒川温泉の旅館を参考にしたという露天風呂だ。自然林と竹林の中に、すすけた黒塗りの加工していない太い材木4本で支えられた東屋の下に、古材木で縁取られた長方形の湯船が設けられている。透明な湯の底には、大きな石が敷かれている。木製の簡素な脱衣所、風情ある湯口を含めて、しっとりした大人の雰囲気を漂わせた湯小屋になっている。湯温もほどほどで、ゆったりと湯三昧が楽しめる。
女性用も同じような造りで、その上、横に細い渓流が流れていて、男性用よりさらに風情があるようだ。
これらの露天風呂の先には、やはり同じような湯小屋があって、2つの貸切風呂が設けられている。(一つはミルク風呂)
温泉ガイドブックによれば、ここは「一部掛け流し」となっている。これが正しいとすれば、少なくとも大浴場はそうでないので、この露天風呂が掛け流しなのだろう。(はっきりとは確認できず)
尚、当初、宿泊した際に不愉快な目にあった従業員の接遇などについて本稿で記述していた。過日、旅館側からそれらについては改善措置を実施した、との連絡があった。これを信頼し、原稿からその部分を削除した。(2005.9.5)
大浴場は浴槽が2つ、大きなガラス窓を通して人口の滝が見える。
自然林と竹林の中に、太い柱に支えられた黒を基調とした湯小屋と石を敷き詰めた湯船の調和はなかなかのものだ。
一部