鴨君の湯 かもきみの湯 (奈良県)
所在地 : 御所市(ごせし)
温泉名 : 葛城の郷鴨君の湯
施設名 : かもきみの湯 (入浴 2003.9.29)
大和平野の西南端に位置する御所市は、人口約35,000人、西に葛城山・金剛山が連なって大阪府と隔て、東南部にはなだらかな丘地帯陵から小さな平野が広がる。
御所の地は、古事記・日本書紀に登場し、葛城氏が葛城王朝を築いていた場所である。西側山麓を南北に走る「葛城の道」と飛鳥から和歌山に至る「巨勢の道」の歴史街道沿いには、由緒ある多くの神社があって往時を偲ばせる
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一時期、古代史に打ち込んだ時期があり、春のうららかな日、家内とともに葛城の道を散策し、一言主神社、高天彦神社、高鴨神社等を訪れた。特に高鴨神社は、この地の名門豪族、鴨氏の守護神を祭った神社であり、京都の上賀茂神社・下賀茂神社の本社に当たることを承知していたので、興味深く拝観した。
大和朝廷成立以前から、葛城山・金剛山麓一帯は「鴨」と呼ばれ、神々の森として敬われていた。温泉名は、この葛城の鴨神奈備(かものかんなび)と呼ばれたこの地に民が集いあった(鴨君)、という古代の謂れから付けられた。奈良県下の市町村のほとんどに温泉施設があったが、御所市では初めての温泉、奈良県ではもっとも新しい日帰り温泉施設(2003年9月現在)である。
湯量は不明だが、泉質はナトリウムー炭酸水素塩・塩化物温泉、源泉での温度は34.4℃、僅かに黄渇色、甘味がある。
橿原市から国道24号線で約15km、国道沿いの右手に、遠望すると体育館の様な建物が見えてくる。鴨君の湯だ。外観も内部も機能的、シンプルな設計である。しかし、内部はロビーも休憩室も広々としていて開放感たっぷりだ。食事処は2階にある。
内湯、露天風呂もこれらの延長線上にあって、凝った造りではないが空間がたっぷりあって気持ちが良い。内湯は2つの広々した風呂の他に、寝湯、座湯、ジャグジー、ハーブ湯、2種のサウナ、露天も桧舞台風呂、岩風呂、炭風呂、打たせ湯など、男女合わせて25種類の入浴施設が整っていて、スーパー銭湯並の充実振りである。この他、2つの家族風呂、マッサージルーム、会議室、大駐車場も備え、敷地面積、延建坪においても、おそらく県下一の日帰り温泉施設であろう。洗い場は仕切りがしてあり、独立性が高められて好ましい。湯にはしっとりとしたヌメリ感がある。
循環湯で、どこの風呂にどの程度の源泉を使用しているか不明だが、ここではそれに拘らず、バラエティに富んだ湯舟を次から次へとハシゴをして楽しめばよい。
これだけの施設で500円は明らかに割安である。、
6世紀末から100年間、都が置かれた飛鳥。この地で、天智・天武・蘇我一族が権力を争った。いまはのどかな田園風景のなかに、石舞台をはじめ多数の遺跡が点在し、明日香という古代ロマンの地にふさわしい村名となっている。毎年、私は9月下旬から10月初旬にかけてこの地を訪れる。棚田100選、神奈備の郷の黄金色の稲穂を真っ赤な彼岸花が縁取る。眼前に広がる、まさに日本の原風景に深い感動を覚える。今年も、ここを訪れ、その後、西へ10kmほどの御所市に向かい、その名も床しい鴨君の湯に浸かった。
この写真はパンフから
住  所 御所市大字五百家333
電  話 0745−66−2641
交通機関 西名阪自動車道郡山ICから国道24号線で約25km
近鉄御所線御所駅から路線バス利用
施  設 食事処、休憩室、和室、マッサージルーム、カラオケルームなど 駐車場200台(推定)
宿  泊 無し
外来入浴時間 10:00〜23:00 
定休日 第1、第3火曜日(祝日の場合は翌日)
泉 質 ナトリウムー炭酸水素塩・塩化物温泉
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴料金 大人500円、小人250円
入浴施設 内湯、露天風呂男女各1(男女日替わり) 内湯・露天風呂には、上述の通り20種類以上の機能風呂が併設。家族風呂2
浴室備品 シャンプー、ボディソープ、ドライヤー
観光スポット 葛城山、葛城の道・巨勢の道沿いに寺社多数
お土産・食事 施設内で可
近くの温泉 金剛乃湯(五條市)、高田温泉、橿原温泉
御所市HP http://www.city.gose.nara.jp/
雑記帳 これまで橿原市と五條市の間は温泉空白地帯であったが、その中間地点に当該施設がオープンした。このためか、平日に出かけたがかなりの人数が来館していた。
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明日香(飛鳥)