中之条町は群馬県の北西部に位置しており、北は新潟県に接する県境の町だ。
町の地形は森林が８０％を占めているが、盆地・河岸段丘・丘陵地などが入り組んで変化に富んでいる。
北部には、風光明媚な三国山系の高峰がそびえており、上信越高原国立公園に指定されている。
町のシンボルである鋭い岩肌の有笠山などの山々から発せられた水は、四万川や上沢渡川などの清流を作り出し、美しい渓谷や滝を生み出している。
それらの川沿いには、豊富で良質の湯が湧く四万温泉や沢渡温泉などが湯煙を上げている。。
かって、沢渡温泉は強酸性の草津温泉の湯治で湯爛れをおこした人が、帰途に標高１，０８８ｍの暮坂峠を超え、ここに立ち寄って肌を癒したことから「草津の上がり湯」「仕上げの湯」と呼ばれていた。
現代の最短ルートは関越自動車道渋川伊香保ICから国道１７号線で数キロ、その後国道３５３号線で四万温泉方面に向かい、途中、下沢渡で県道５５線に乗り換えて４ｋｍ、ICからは３５ｋｍほど、１時間弱の距離である。
沢渡温泉は、背後に秋葉山、近くに有笠山、遠くに榛名・浅間を望む標高６００ｍの台地にある静かな温泉地であり、坂道に沿って１３軒の小さな温泉宿がひっそりと佇んでいる。
近くに日本有数の大温泉地である草津や湯量豊富な四万温泉があることから、あまり目立たない地味な温泉地だ。
しかし、この地は温泉好きにはたまらな素朴な雰囲気を漂わせており、共同浴場もあるので地元の人と触れ合いながら入浴するのも楽しい。
沢渡温泉から日本ロマンティック街道の一部である県道５５線で「暮坂峠」を越えて西に向かうと草津温泉に至る。沢渡温泉は歌人若山牧水縁の地である。
上沢渡川北岸の台地にあり、１３軒の小さな宿が坂道に沿って立ち並ぶこじんまりとした温泉街だ。
写真右手にまるほん旅館、その先に共同浴場。
温泉街の中程、創業３３０年余の歴史を誇る老舗旅館・まるほん旅館（立ち寄り湯１１時〜１６時 ７００円）の隣に立つ素朴な共同浴場である。
目の前の空き地に車を停めて右手の窓口で３００円の入浴料金を支払う。以前は２００円だったので５割の値上げだ。
金額の多寡でなくて、共同浴場には１００円〜２００円が似合うだけに残念だ。
簡素な脱衣室から浴室に入る。
奥に２ｍｘ３ｍ、手前に１ｍｘ１．５ｍ程度の小さな湯船が並んでいる。
黒御影石で縁取られた手前の湯船には５６度の源泉がそのまま注がれていて、浸かるには相当の覚悟が要る。
奥の方は加水しているのだろうか、それでも４３〜４４℃くらい、体をすぼめてゆるゆると体を沈めてようやく浸かることができた。
光線の具合なのか、湯はわずかに青味がかった透明で、硫黄の臭いがかすかにあった。
美しい透明の温泉、よく見ると湯の花が舞っていた。
施設名 ： 沢渡温泉共同浴場 （入浴日：２００５．７．６ 2回目：２００９．１０．２０）
データ （データは変更されている可能性もあります。お出かけ前にご確認ください。）
沢渡温泉は、背後に秋葉山、近くに有笠山、遠くに榛名・浅間を望む標高６００ｍの台地にある静かな温泉地で、坂道に沿って１３軒の小さな温泉宿がひっそりと佇んでいる。その温泉街の入口にある素朴な共同浴場で2回目の入浴をした。
２回目の入浴は温泉仲間達と一緒。おばさん（足だけ見える）が熱かったら温めていいよ・・と言いながら浴室のドアを開けてしばし雑談。おおらかでこれ共同浴場の楽しさ。
透明で柔らかな感触のカルシウム･ナトリウムー硫酸塩・塩化物温泉が掛け流し。源泉は有料で持ち帰りができる（１０リットル１００円・２０リットル２００円）。
湯小屋はこれぞ共同浴場の雰囲気たっぷり。
