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住 所  岩手県岩手郡雫石町網張温泉
電 話 019-693-2211
交通機関 東北自動車道盛岡ICより国道46号線を秋田方面に向かい、途中、つなぎ十文字から小岩井(農場)方面へ右折。約20km走った終点が休暇村。
JR東北新幹線・東北本線盛岡駅より岩手県交通バス網張温泉行きに乗り、小岩井農場経由で終点網張温泉下車、約60分、バス停から徒歩2分。
施設(日帰り用) 売店、ラウンジ、休憩所 駐車場2200台(スキーシーズンに備えてこれだけ多い) 
宿 泊 和室75・洋室1(BT2室、T51室)
宿泊料金は室料に夕食プラン、朝食の合計によって決まるが、ホームページには夕食料金の記載が無く、大変不親切。
およそ7,000円前後〜10,000円まで
泉 質 硫黄泉 (泉温73℃、PH2.9、強い硫化水素臭 湧出量測定は構造上不可能との記載があった。)
適応症 不記載(理由は「温泉の基礎知識ー温泉の効能」参照)
入浴時間 8〜20時
定休日 無休
入浴料金 大人500円 、小学生300円
入浴施設 内湯男女各2、露天風呂混浴1、別棟の温泉館(宿泊客は無料で利用できる)
浴室備品 シャンプー、ボデイソープ、ドライヤー、ロッカー、混浴露天風呂は備品なし
観光スポット 小岩井農場、田沢湖、角館、盛岡市内(盛岡城跡・石割桜など)
お土産・食事 盛岡冷麺、南部煎餅、南部鉄器 など。
食事・土産は小岩井農場、角館、田沢湖周辺等などで幅広く選べる。
近くの温泉 繋温泉、国見温泉、玄武温泉、南網張温泉、水沢温泉郷、田沢湖高原温泉郷、乳頭温泉郷、鶯宿温泉
雫石町HP
休暇村岩手
http://www.town.shizukuishi.iwate.jp/
http://www.qkamura.or.jp
雑記帳 行政が運営する宿泊施設には、休暇村の他に国民宿舎、休暇センター、サンピア、グリーンピア、いこいの村、かんぽセンター、市町村施設などがある。この中には国の無駄遣いと社会的に厳しく糾弾され、全廃となるグリーンピアのような問題施設もある。
網張温泉・休暇村岩手(岩手県)
休暇村岩手には、秘湯マニアなら一度は入ってみたい露天風呂がある。湯名人・野口悦男氏が、「渓流野天風呂」のジャンルでベスト5にランクした「網張温泉・仙女の湯」だ。
小岩井農場
この日、奥入瀬渓流にほど近い蔦温泉を発ち、東北を代表する温泉、酸ヶ湯に立ち寄ってから、十和田ゴールドライン(国道103号線)を北上して、八甲田山雪中行軍遭難碑、ねぶたの里を観光した。その後、青森市内に入って寿司の昼食を取り、津軽海峡を一目見て、本日の宿泊地、網張温泉・休暇村岩手に向った。
東北自動車道を下りて、目的地の20kmほど手前、乳製品の高級ブランドで知られる小岩井農場に立ち寄って土産を買い込んだ。
蔦温泉出発
酸ヶ湯温泉入浴
八甲田山
雪中行軍遭難碑
ねぶたの里
青森市内で昼食
津軽海峡
小岩井農場到着
小岩井農場は明治24年に創業。農場の名前は、創業に係わった野義真(日本鉄道会社副社長)、崎弥之助(三菱社社長)、上勝(鉄道庁長官)の三氏の頭文字からとった。
広大な火山灰土の原野を開墾し、防風林の造成を行い、乳牛のホルスタイン種牛などを輸入して、明治35年(1902年)には発酵バターの販売を開始し、日本初の民間総合農場として発展していった。
現在は三菱グループの小岩井農牧株式会社(本社:東京都千代田区丸の内
、の小岩井農場として活動している。別に販売会社として、小岩井乳業(年商366億円/2003年)がある。
農場は「小岩井農場まきば園」として観光用に開放され(入場料500円)、30万坪の広大な敷地に、シープ&ドッグショーや牛の乳しぼりが見られるふれあい広場をはじめ、まきばの天文館や農場の歴史を紹介する展示資料館などさまざまな施設がある。
小岩井製品や土産はここで買える。
園内から岩手山を望む
売店の人形
チーズ、バターなどの乳製品
所在地 : 岩手県雫石町
雫石町の名が全国的に知られたのは、1971年7月30日、千歳空港から羽田に向う途中の全日空B727機が雫石上空で自衛隊機と空中衝突し、162名が死亡した航空機事故によってであった。
町は人口2万人弱、、四国4県とほぼ同じ面積を持つ岩手県の北西部に位置し、東は盛岡市、西は秋田県に接している。町の大部分は、日本100名山・岩手山(2、038m)南西の山麓にあり、「山と牧場といで湯の町」である。
「牧場」としては、乳製品の全国ブランドである「小岩井農場」があり、「いで湯」は、「鶯宿温泉・国見温泉・網張温泉、玄武温泉」など10湯以上の個性が異なる温泉地が町域に点在している。
(この項、国見温泉と同一記事)
東北自動車道からの岩手山
温泉名 : 網張温泉
東北自動車道盛岡ICから秋田街道(国道46号線)で西へ8kmほど進み、左折し南に行けば繋温泉へ通ずる繋十文字交差点を逆に右折し、快適な県道219号線に乗って岩手山山麓を北上。途中、小岩井農場を通過してから高度を徐々に上げて20km弱、網張温泉唯一の宿泊施設、休暇村岩手に到着する。
ここは目の前にスキー場があり、また温泉マニアにとっては垂涎の露天風呂があるため、休暇村の中でも人気のある施設だ。温泉発見は和銅年間(708年〜715年)に遡るそうだが、藩政時代には山の神信仰から、網を張って入浴を禁止したことから現在の温泉名となったと言われている。
施設名 : 休暇村岩手 (宿泊日:2004年6月18日)
広葉樹の森に囲まれた休暇村
部屋から見た山岳風景
「休暇村」は全国に36ヶ所、すべて国立公園・国定公園の恵まれた大自然の景勝地の中、広大な敷地を持つ宿泊・リゾート施設である。
運営は、環境省の外郭団体「財団法人国民休暇村協会(正職員800名臨時職員900名)」が運営している。岩手県にはもう1カ所、休暇村陸中宮古がある。
休暇村は、行政の運営する各種施設(下記・雑記帳参照)の中では、立地条件・設備などの面でもっとも優れ、そのリーズナブルな料金設定もあって、夫婦・家族・グループ旅行、何れにも向いており手軽に利用できる。


ここの施設は外見、内装ともかなり年期が入っており、エレベーターもないので、係りの女性にそれを言ったところ、休暇村でも2番目か3番目に古い建物で、近く本格的なリニューアルが行われる予定だ、と話してくれた。しかし、スタッフの接遇は非常によく、公的施設なのに、手荷物を部屋まで運んでくれた。
部屋は8畳、トイレ付き、2食付で7,734円(税込み)。夕食・朝食とも景色のよいレストランで、質量とも標準的なバイキング。久し振りのパンとコーヒーの朝食が嬉しかった。
風呂は、館内に2ヵ所のかなり古びた大浴場があるほか、最近、少しはなれた場所に日帰り施設の「温泉館」が完成し、宿泊客は無料で利用できる。しかし、ここには温泉マニアにはこたえられない野趣豊かな露天風呂、というよりは野天風呂がある。仙女の湯だ。
玄関からいったん外に出て裏手の小山を登り、それから足元に注意しながら沢に向って下っていく。休暇村から10分弱、大小の岩石が入り乱れ、倒木がごろごろした沢をほんの少し歩くと、古びた小屋、その横と前方に3、,4人が入れる2つの露天風呂が見えてきた。周囲には強い硫黄臭が漂っている。コンクリートで造られた湯舟には温泉成分が濃く付着して白く光っている。風呂の周囲は人工なのだろうか、自然に堆積したものだろうか、大小の石が積み重なっていて、注意しないと転倒して負傷する。
風呂の背後、10m先、沢の奥には滝があり、これを見ながら入浴が楽しめる。
なるほど「湯名人」野口悦男氏が、渓流露天風呂のベスト5に選んだだけのワイルドさだ。一応、男女別になっている粗末な湯小屋で服を脱ぎ、転倒しないように注意しながら湯舟に体を沈める。湯舟は付着している硫黄成分でざらざらしていて、あふれ出た湯はそのまま沢に流れていく。湯はやや熱めだが許容範囲だ。完全に体を沈めて、あらためて周囲を見回す。夕方の6時前、入浴客は自分だけ。V字の荒々しい沢、鬱蒼と茂る広葉樹、大小の岩石・倒木が不規則に積み重なり、物音一つしない。深山幽谷の趣、女性だけでは怖くて入れないだろう。
ガイドブックでは、女性の要望で、完璧ではないが男女別になった、と記載されていたが、2つの湯舟の間の仕切りもなく、完全な混浴スタイルになっていた。そういえば、正面玄関を出たところの仙女の湯への案内板の横に、「女性に浴衣お貸しします」の立て札があった。
地形上、大雨が降ると風呂はすぐに水没するから、ここの維持管理は大変だろうと思いつつ、しばし、至福のときを過ごした。
風呂に色が無いのは、硫黄成分が付着して湯舟が白くなっているため。
雨が降ったら、沢に水があふれて危険になる。
湯舟は2つあるが、縁に岩石が散乱して歩けないくらいだ。