飯豊連峰縦走

 杁差岳〜頼母木山〜門内岳〜北股岳〜大日岳〜飯豊本山〜三国岳

2007年7/28(夜)〜8/3(朝)

 
 飯豊連峰は10年くらい前から行きたいと思って憧れていた山だった。なかなか機会がないままだった。ニュジーランドのケプラートラックの経験を生かして飯豊に行こうということになった。コース設定から色々と迷った。一人減り2人減りして3人になってしまった。少し寂しくなったが、飯豊に行こうと私の気持は変わらなかった。
 
 7月30日 足の松登山口〜大石山〜杁差岳〜大石山〜頼母木小屋

 昨日、夜行で新潟に入り、JRで中条駅・タクシーで胎内ヒュッテに着きました。キャンプ場も併設してあり、静かなブナの林の中で明日からに備えて過ごす。宿泊客も少なく、食事も良くお風呂も広くてとても山小屋の感じではなかった。
朝6時ヒュッテ前から出るバスで足の松登山口まで行きます。胎内市営のバスは夏の期間だけで無料。登山口までは10分ほどで、私達3人を入れて7人が同じバスで登山口まで行きます。

 ひんやりと気持ちの良いブナの緩やか林は5分ほどだった。すぐに木の根の張り巡らした急登が始まった。2時間、3時間くらいは息つく間もない急登だった。木の根を掴み身体を引っ張り上げながら登る。雨が降っていなくてよかった。雨具を着てこの急坂を何時間も歩いたら1日で参ってしまいそうです。
それでも昨日、早めにヒュッテに入り身体を休めていたので、
自炊用の 食材が11食分入ったザックでもなんとか元気に歩けま 
した。

     胎内ヒュッテ  

 
  

  
        ブナ林の急登                 イイデリンドウ        マツムシソウ

          

 登るにつれ、いくつもの深い谷が幾重にも折り重なって山の重厚さを感じる。大きな滝も下のほうに白い筋のように見える。ガスで見えない高い山の部分、見えているところだけでも感じ取れる山の大きさ深さは感動です。やっぱり飯豊はすばらしい!デッカイと思った。
大石山
(1.567m)の分岐まで4時間半くらいはほとんど急登続きだった。「雪渓はガスッていたら迷いやすいし、梶川尾根は急登だから」と足の松尾根にしたのですが、こちらもかなりの物でした。

            
                        杁差岳と杁差避難小屋

 大石山の分岐にザックを置いてサブザックで杁差岳(
1,636,4m)をピストンする。杁差岳にかけての稜線はまさにフラワーロードでした。お花畑が広がり、重たいザックから解放され、身も軽くルンルンでお花の写真を撮りながら行く。小屋近くはニッコウキスゲが一面に咲いていて、ガイドブックで見た写真と同じだった。黄色いニッコウキスゲはガスの中を明るく華やかにしてくれます。
午前中は時々日差しもあったのに、雨が降りそうな感じです。もうじき頼母木小屋という所あたりから雨が降りだした。足元に這うようにイブキジャコウソウが瑞々しく咲いていた。写真を撮りたかったが、雨具で身を固めザックも重いし、かがむのが大変なので諦めた。

                      
                               ニッコウキスゲ

 7月31日 頼母木小屋〜門内岳〜北股岳〜烏帽子岳〜御西小屋

朝、4時半頃目覚めると昨夜からの雨と風がまだ残っていて、ガスで視界はまったくない状態だった。ゆっくりと朝食をとって、荷物をザックに詰めながら様子を見ることにします。
7時半頃に雨も上ってきた。シブシブ状態だったが雨具の装備をフルに使い頼母木小屋を出ます。


 
      梅花皮小屋付近から見る北股岳             梅花皮小屋から石転び雪渓を見る

 頼母木山、地神山
(1,849.6m)、門内岳(1.887m)、北股岳(2,024,9m)くらいまでは、シブシブとして視界のない中をひたすらに歩く。それでもお花は沢山咲いていたので、こんな日もあるだろうと水滴のかかったハクサンシャジンやフウロ、イイデリンドウなどの瑞々しいお花に感激しながら歩いた。
 「稜線まで上ってしまえば後は…」と言っていた人の言葉を思い出した。私もそんなに甘いもんじゃないとは思っていましたが、いくつもピークを越えてかなりのもんです。それに北股岳への登りは昨日の疲れもあり、3人ともバテバテでした。

 
           
                          イブキトラノオ

 梅花皮小屋あたりから時々日差しも出て周りの山も見えてきます。石転びの雪渓も覗き込んでみた。やはり今日のようにガスッていて視界のないときは危険だろうと思う。とにかく白い世界を黙々と歩くことになり、お花も何もないところを歩くわけだから精神的にも疲れそうです。

     
      晴れ間が出て、美しい緑の谷が見えてきた。息をのむような風景にしばしたたずんでしまう。

御手洗の滝あたりから天狗岳くらいまでは、残雪も多く道が不明瞭だった。ガスが晴れてくれてよかったと思う。斜面に濃いピンクのコザクラやヨツバシオガマ咲いていた。足の置くところがなくて、雪が解けて芽吹いたばかりの新芽の上に足をおくことになったときは心の中でゴメンとつぶやいていた。

         
                 もうすぐ御西小屋という所から見る飯豊本山

         
                         御西小屋から大日岳
 


         
              歩いてきた北股岳、烏帽子岳が夕日に染まる(御西小屋から)

 御西小屋に着いたときは、すっかりお天気も回復して、展望も良くなっていた。宿泊客が小屋の前で大日岳や北股岳の山を眺めている。小屋は混んでいるようです
小屋に着いて宿泊料を払うとき「えっ、2500円」と聞き返したので、オッチャンが「サービスしとくからね!」と言って、シャブシャブの暖かいコーヒーを入れてくれた。小屋は満杯で一人分が50pくらいしかなく、エコノミー症候群が起きそうだった。水場は遠くガレた斜面と雪渓を下った所にあり、疲れた身体で何度も行ける所ではなかった。

                 
                         ハクサンコザクラ

 8時前、人の出入りやらガタガタと落ち着かないので外に出てみる。小屋から東のほうに街の明かりが見える。オッチャンにあの灯りはどこですかと聞いたら、「手前のほうがあのラーメンの喜多方で、奥のほうがワシの故郷の会津若松だ…」と説明してくれた。星も出てきて明日は良い天気だろう思い、寒くなってきたので小屋に入る。
           

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