9月議会(1)
朝日新聞の慰安婦の誤報と本市の中学・高校の歴史教科書の状況について
平成26年9月16日(火)
質問: 植村佳史/答弁: 教育委員長(杉江雅彦)
●【植村・質問-1】
朝日新聞の慰安婦の誤報と本市が採用している中学高校の歴史教科書の関連について、朝日新聞は、8月5日の紙面で、慰安婦問題に関する同社の報道に事実関係の誤りがあったとして、問題の核心をなす下記の3点を認めました。
1、慰安婦を強制連行したとする吉田清治証言を初めて虚偽であると断定した。そして、女性を戦時動員した女子勤労挺身隊と慰安婦を同一視した記事の誤りを認めた。そして、3番目に、朝鮮や台湾では軍などが組織的に人さらいのように連行した資料は見つかっていませんと認めたとあります。そして、9月11日にニッポン放送の中で安倍総理は、「個別の報道機関の報道内容の是非についてはコメントすべきではないが、例えば慰安婦問題の誤報で多くの人が苦しみ、国際社会で日本の名誉が傷つけられたことは事実と言ってもいい」と、このように述べたとありました。
私はこれらのことによって、慰安婦強制連行説は崩壊し、慰安婦問題は消滅したのではないかと感じております。
このことに関して、本市の学校教科書である社会科歴史や日本史教科書の採択権者である教育委員会の代表である教育委員長はどのように感じておられるか、お聞かせください。
■【教育委員長:杉江雅彦・答弁-1】
教科書選択の観点から申しますと、現在使用されております教科書は既にこれまでさまざまな検証と学術的審議を踏まえて検定されたものであることから、この問題を受けまして、現行の教科書の記述は変更しないという国の考え方が示されたということについても承知をしている。
●【植村・質問-2】
本市の中学校の歴史教科書は、この吉田証言以降、全国的にも変わってきておりまして、平成7年度の検定の中学校の歴史教科書ですね、ここら辺から慰安婦や従軍慰安婦というのが登場している。国会でも吉田証言がかなり出てくるわけである。
私の独自調査では、平成9年の本市の市立中学校の教科書、平成9年から採用された大阪書籍、260ページには、「戦争の被害と民衆」という表題で、「朝鮮から約70万人、中国からも約4万人を強制的に日本へ連行して鉱山などで働かせました。また、朝鮮などの若い女性たちを慰安婦として戦場に連行していました」と、このように掲載されている。
さらに、本市、現在の一条高校で使われている教科書、山川出版社の詳説日本史Bの365ページには、「国民生活の崩壊」の表題の部分で、「数十万人の朝鮮人や占領地域の中国人を日本本土などに強制連行し、鉱山や土木工事現場などで働かせた」。
また、その諸説明の中で、「また、戦地に設置された慰安施設には、朝鮮・中国・フィリピンなどから女性が集められた(いわゆる従軍慰安婦)」と、このように記述されています。
そして、本市の現在の中学校においても、東京書籍では、歴史教科書211ページの「植民地と占領地」の表題で、「多数の朝鮮人や中国人が、意思に反して日本に連れてこられ、鉱山や工場などで劣悪な条件のもと過酷な労働をしいられました」と、「こうした動員は女性にもおよび、戦地で働かされた人もいました」と、このように書かれています。これでは、本市の所管でやっていただいている教科書にどうも誤解を招くようなところがたくさん出てくるのではないのかなというふうに懸念している。
そこで実際に、天理市は、先日新聞にも載っておりましたけれども、旧大和海軍航空隊大和基地、通称柳本飛行場ということになっているんですけれども、この跡地に設置してあった慰安婦強制連行の説明板というのが設置されてあったが、根拠づける資料がないとして撤去されました。
これは素早い動きで英断だったなと私は思うんですけれども、さらに、9月14日、おとといの産経新聞の中でも高校日本史の教科書について記述内容の訂正を検討するという会社も出てきていると、そのようなことが書かれておりました。
本市一条高校でも、いわゆる従軍慰安婦ということは従軍記者や従軍看護婦と同様にどうも誤認して覚えてしまうのではないかと懸念しておるわけですけれども、今後の授業の仕方について、何らかの指導が必要だと思うが、教育長のお考えをお聞かせください。
■【教育長:中室雄俊・答弁-2】
先ほど委員長も申し上げましたように、現在使用しております教科書は、この問題を受けまして、記述の変更はしないという国の考え方が示されております。授業におきましては、主たる教材である教科書を使用して子供たちに指導することになっております。その上で、教諭は最新の研究や情報、あるいは社会の動き等にも目を向けながら教材研究を行い、教科書に記載されている内容を指導しているものと認識をいたしております。
今後も、教科書に基づき、教育が行われるように指導主事の訪問指導などの機会を捉えまして指導してまいりたい、考えている。
◆【植村・コメント-3】
政府見解というものは、昨年11月に次の教科書の採択のときには考慮していくようなことを言っておりました。 政府見解というのは、やはり強制連行、こういった記述の資料はなかったと、こういうのが政府の見解であります。ぜひ、その点、誤解のないように、子供たちが間違わないように、デリケートな部分なので、しっかりと指導していただけるようにお願いしておきたいと思います。