6月定例議会 一般質問(3)
奈良市独自の中小零細企業の振興策を!
平成26年6月13日(金)
質問: 植村佳史/答弁: 市長
中所企業振興策とプレミア商品券
奈良商工会議所発表の26年6月奈良市の景況調査結果
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※参考: 景況調査結果(奈良商工会議所HP)
●【植村・質問-1】
中小企業の振興策について、本年の4月より消費増税が行われ、約2カ月が経過したところですが、政府の好循環実現のための経済対の効果で、前回の消費増税の時のような混乱は起こっていないと思われますが、奈良商工会議所の今年3月の奈良市内の5業種42社を対象に実施した、景況調査結果では、26年1~3月期の業況前年同期比で、「好転」16.7%,「不変」40.5%,「悪化」42.9%で、今期の「増加」・「好転」したなどとする企業割合から、「減少」・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた値である実績値DIは△26.2となり、前期である25年10~12月期の△12.2より「悪化」超幅は拡大したと公表されています。
さて、昨年の9月議会において、この小売りサービス業等の中小企業対策について、NARA NEXT4になぜ掲載していないのかという質問に対して、市長は「中小企業対策については、大変重要なものだと認識している、今後さらなる取り組みを進めるために、商工会議所などとも対話、協力して推進していくし、従来の支援策にとどまらず、新たな対策や御提案などがありましたら、今後さらに積極的に検討を進めていきたい旨」を答弁されていました。そこで、この事に関して数点質問をします。
1点目に、この消費増前に対して、小売りサービス業等の中小零細企業振興についてどのような、施策、取り組みをされていますか?
2点目に、奈県は、県内消費喚起などを目的に、各地域での、プレミアム商品券の発行に対しての支援制度を、平成26年度については、拡充して実施し、県内の小売・サービス業等の活性化政策を行っておられ、他市においてもこの動きが見当たりますが、本市はこの取り組みについてはどのようにお考えなのか、お聞かせ下さい。以上一問目と致します。
■【市長・答弁-1】
奈良市での設備投資にかかる資金融資が昨年に比べ、約1.4倍増加していることにより、景気回復基調が見られることや、国が中小企業や小規模事業者を対象に、事業革新、販路開拓、創業支援など新たな支援事業を次々と打ち出しており、商店街のソフト事業には100%の補助が受けられたり、ハード事業については、3分の2の補助が受けられるなど手厚い対策が行われているため、市といたしましては、国の様々な支援策を活用していただくよう広報に努めているところでございます。次に、プレミアム商品券について、今回、奈良県から提案のありました市町村等プレミアム商品券支援事業につきましては、県内市町村定額補助のため、奈良市の人口規模からすると補助額が極端に少なく、奈良市が前回と同規模のプレミアム商品券を発行するとなると、相当額の財源の持ち出しや事務作業量が必要となり、商店街関係者と調整した結果、県の補助額では効果が望めないとの意見があったことや、県直営の同種のプレミアム商品券が、平成26年10月に発行予定であることから、総合的に判断して応募しなかったものであります。
●【植村・質問-2】
本市としては、国の様々な支援策を活用していただくよう広報に努めている。つまり、市独自の中小小売りサービス業の振興施策は、市民目線からすると、現状では特に何もしていないと映っているのではないでしょうか?
奈良商工会議所による最近の景況調査の結果を、今期26年の4月~6月の見通しは「好転」14.3%,「不変」45.2%,「悪化」40.5%で、DI値は△26.2と前期の1月~3月の今期実績値(△26.2)と「悪化」超幅は変わらない見通しとなっていると公表されています。奈良市内の小売りサービス等の中小零細企業の景況は、本当に今も厳しいと言う事であります。
市長が、昨年の9月議会で私のNEXT4関連の中小企業振興施策が無いのはなぜかとの質問に対して、答弁された奈良商工会議所と協力して、新たな対策や提案があったなら取り組むと言うのは、本市独自に振興策を講じて行くと言う事ではなかったのでしょうか、その点をお聞かせ下さい?
■【市長・答弁-2】
本市独自の振興策についてですが、既存企業の新たな事業展開を支援するため、ベンチャー企業と投資家とのマッチング等を行う「スタートアップ推進事業」を全国的に進めています。
また、奈良発のビジネスを目指す若手起業家と奈良市で既に活躍中の中小企業の若手実業家とのマッチングを行い、新たなビジネスチャンスの創出を目指しているところです。中小企業や小規模事業者に向けた国や県の支援策が講じられておりますが、その情報が市内の中小企業者に伝わりにくく、ツイッターなどで随時、情報を流すなどしておりますが、一人でも多くの事業者が活用できるよう、その情報提供の方法について、現在、国や県と調整しているところです。
さらに今年度より、奈良市商工会議所に管理職クラスの人員を派遣し、地道に商店街や事業所等を回り、情報収集や情報提供することにより、国の支援策の活用する中小企業者が増えたと聞いております。奈良市におきましても、景気回復の基調が見られますが、この流れを絶やさず、次に繋げていくためにも、新たな施策は必要であると考えておりますので、引き続き検討してまいります。
◆【植村・コメント】
市長はご商売をされていないから、不景気の実感が、肌では感じにくいんだろうなと思います。実際にアベノミクス効果は出てきていますが、その円安の恩恵を受けているのは、輸出産業の多い大企業であり、内需向けの中小零細企業にとっては、原材料の値上がりや、燃料費や光熱費の高騰で、小売りサービス業含む中小零細企業の経営環境は、本当に厳しいんですよ。
奈良商工会議所の話がでましたが、市長はご存知でしょうか?本市には約9500社程の事業者があり、その内の約6700社が小規模事業者であります。更に奈良商工会議所に加盟している、未だ余力のある事業者は、約2300社で全体の26%にすぎないのです。行政は商工会議所に加盟したくても、できない事業者にも目を向けなければならないと考えます。商工会議所の幹部との話でも、最近の傾向として、倒産よりも自主廃業される事業所が増加傾向であるとの事でした。先日の帝国データバンクの調べによると、驚く事に総資本1億円未満の企業の約6割が赤字で、債務超過に陥っている企業も珍しくないと言う事でありました。是非ですね、市長も街を歩いて、実際に小売りサービス零細中小企業等のお店に入って、「儲かってますか?」と自分で聞いて頂きたいと思います。私も先日は、商工会議所加盟の飲食店経営者の方から景況感についてお話を伺いましたが、本当に厳しいと述べられており、奈良市として、どのような施策を望まれますかと聞くと?「奈良市役所の大勢の職員さんは、奈良市役所にお務めでしょうから、帰りに奈良市内で飲食しようと奨励して頂けると大変ありがたい」と切に言っておられました。なるほどな、今すぐにでも直接効果がほしいというのが現実だなと感じました。例えば、市長はノー残業デーの日には、早く出ましょうと奨励しておられますから、今日は奈良市内の飲食店で同僚や友人、ご家族と外食を楽しみながら「絆」を深め、更に経済効果に貢献しようと、市長自ら率先すると言うのも良いのではないでしょうか?中小零細企業の倒産や廃業が増加して、雇用悪化や税収減がこれ以上、進行するような事態にならないように、ぜひ市長自ら、本市の小売サービス業等中小零細企業の実態を肌身で感じ取って、具体的な振興施策を早期に検討し、実行に移して頂けるよう要望して、私の質問を終わります。