6月定例議会 一般質問(2)
奈良市にも所在不明児が12人が判明!対策を急げ?
平成26年6月13日(金)
質問: 植村佳史/答弁: 市長
所在不明児について
●【植村・質問-1】
所在不明児について、神奈川県厚木市のアパートで白骨化した男の子の遺体がみつかり父親が逮捕された事件で、男の子の母親は「息子が死んでいるとは知らなかった」と話しており、容疑者は2006年から翌年にかけて当時5歳の長男に十分な食事を与えず、死亡させた疑いが持たれているとの報道であり、なぜ今まで発見できなかったのか、全国的に再発防止の対応策が望まれているところであります。そして、半年前の2013年12月30日には、自治体が2012年度に実施した乳幼児健診を受けず、所在が確認できない乳幼児が全国で4176人に上ると、驚愕の報道がされていました。
さて、本市における、本年5月1日時点での、住民基本台帳に登録されているのに、乳幼児健診を受けておらず確認のとれていない児童の数と、状況の確認ができない場合の対応についてお聞かせください?
■【市長・答弁-1】
4か月児健康診査が1人、10か月児健康診査が4人、1歳7か月児健康診査が2人、3歳6か月児健康診査が5人でございます。
次に、状況の確認ができない場合の対応についてでございますが、受診再勧奨葉書の郵送を行うとともに、電話や家庭訪問で受診勧奨を徹底し、極力、受診していただくように努めております。それでも、なお、受診されない場合には、保育園等への通園状況の照会や、予防接種歴の確認を行い、夜間も含め、時間帯を変えての家庭訪問を複数回実施しております。さらに、奈良市被虐待児童対策地域協議会の調整機関である、子育て相談課に協力を求め、出入国調査や関係機関等を通じお子さまの置かれている状況の徹底した把握を進めております。また、子どもの様子の確認につきましては、まず学校園で電話連絡や家庭訪問を行い、面会できない場合は、手紙を投函し連絡を取るようにしています。それでも連絡がつかない場合、地域担当の保健師への健診等の情報提供依頼に努めたり、民生児童委員へ情報収集の協力要請を行ったりしています。さらに、本市子育て相談課、奈良県中央こども家庭相談センターとも連携を図り、子どもの様子の確認に努めております。厚木市でおきました悲惨な事故が、この奈良市で起こらないよう学校園、地域、関係機関と連絡を取り合い、万全を期したいと考えております。
●【植村・質問-2】
所在不明児についてですが、4か月児健康診査が1人、10か月児健康診査が4人、1歳7か月児健康診査が2人、3歳6か月児健康診査が5人の12人が、乳幼児検査を受けていないで、連絡が取れない方々である事が判明しました。そして追跡対応はしておられるとの事ですが、私は、これを聞いて、大変気になっており、一日も早く所在の確認をして頂きたいと思いますが、この子どもたちは、例えば夫のDVで、居住所はそのままで、他の場所へ避難していると言うようなケースも考えられるのではないでしょうか?そのような場合の対策はどのようにされているのでしょうか?又追跡調査専門チーム等の設置についてはどのようにお考えなのか、お聞かせ下さい。
■【市長・答弁-2】
所在不明については、様々な要因があると考えられます。各部署においての調査には限界があることから、所在不明児の調査については、奈良市被虐待児対策地域協議会において、警察や児童相談所など関係機関との連携により調査し、把握に努めていくものと考えます。
◆【植村・コメント】
所在不明児の件ですが、各部署に限界があることも、一部理解をしますが、この限界に挑戦している自治体もあります。例えば虐待ハイリスク専門の保健師を設け、ほかの保健師が電話や訪問をしても会えない親子を追跡調査し"所在不明乳幼児"の発見につとめておられる他市もあります。また近くでは、奈良県宇陀市におかれては、所在不明乳幼児をなくす独自の取り組みとして、出産2か月の親子に市内で使える1万円分のうっぴー商品券を直接手渡しする試みで、親子と行政が顔の見える関係を築く大切な機会となっています。また、保健師は乳幼児健診未受診者に対して「案内状の手渡し」や「電話や手紙による粘り強い交渉」を続けておられるとの事です。悲惨な事件と言うのは、限界を超えたところで起きているのではないでしょうか?ぜひその限界を克服して、12名の所在不明児の調査と、今後の所在不明児撲滅に取り組んでいただけるように要望しておきます。