6月定例議会 一般質問(1)
常勤館長が不在!入館者激減の入江泰吉記念写真美術館の対策?
平成26年6月13日(金)
質問: 植村佳史/答弁: 市長
入江泰吉記念奈良市写真美術館について
入館者数が年間5万人を割り、常設館長不在の写真美術館
●【植村・質問-1】
報告第18号の「一般財団法人奈良市総合財団の経営状況の報告についてP50」の入江泰吉記念奈良市写真美術館(以下写真美術館と呼ぶ)の事業報告について、平成24年度より一般財団法人奈良市総合財団が、指定管理者となり現場の管理監督者である、館長が不在となっていることが判明した事から、美術館の施設清掃管理等が行き届いていないことや、来場者が減少している事などで、24年12月の市民環境委員会で写真美術館館長の設置を要望致し、25年度から館長を配置していただいたわけですが、報告18号の事業報告では、25年度入館者数は、開館当初の約15万人以上から減少が続き、開館以来で二番目に少ない47,273人となり危機感を感じています。そこで、そのことに関して数点質問を致します。
1点目に、25年度に写真美術館館長は、写真美術館に何日間出勤されましたか?
2点目に、写真美術館には、日本の博物館法に定められた、研究・調査、収集・展示普及、保存・管理等、社会教育施設における教育従事者としての立場も含まれる、学芸員の配置は、どのようになっていますか?
3点目に、最近の入館者数は、22年は61,412人、23年は57,323人、24年は52,669人、25年度は47,273人と5万人を割っています。この原因と対策について、どのようにお考えなのか、お聞かせください。
■【市長・答弁-1】
(1) 現在入江泰吉記念写真美術館の館長は、津山副市長が勤めておりますが、館長として現場に行く必要がある場合は随時館に赴き、それ以外は館の職員が本庁に来て連絡調整を行うなど、臨機に対応しております。
(2) 現在写真美術館に配置されている職員は休職中ですが、必要な場合は一般財団法人奈良市総合財団に所属する他の学芸員と適宜協議を行い、事業を進めております。
(3) 平成4年の開館以来20年以上にわたり、本美術館では入江泰吉氏の作品を中心に様々なテーマで展示を行ってまいりましたが、一人の作者の作品で展覧会を継続し、入館者を維持していくことには一定の限界があることは否めません。このため、奈良市では本年より「入江泰吉記念写真賞」を創設すると共に、入江氏が長年住まわれた水門町のご自宅を文化施設として公開し、入江氏の業績の顕彰に努め、美術館の入館者増につなげたいと考えております。また、他の写真家とのコラボレーションによる展覧会の企画、入館者数には表れませんが、他の美術館での出張展示などを積極的に行うなど、様々な展開を図ってまいります。
●【植村・質問-2】
先日はあべのハルカス美術館名誉館長の蓑豊氏の講演をお聞きしましたが、氏は「美術館が街を変えていくという信念の下、子どもの思い出に残るような『子どもと一緒に成長する美術館』を目指している」と述べ、美術館を通した街づくりの重要性を語られました。
やはり私は、こういった美術館には、美術館の顔が必要で、もちろん専門職員である学芸員も必要です。このまま進むと、せっかくの入江先生が寄贈された写真、奈良市民の宝が、朽ち果ててしまうのではないかという懸念を感じています。そこで、入館者の改善策について、やはり目標達成のためには、写真美術館に常勤の館長を配置するべきだと考えますが、その点どのようにお考えなのか、お聞かせください。
■【市長・答弁-2】
常勤の館長の設置についてで、ございますが、必要性を感じているところであり、今後具体的に検討してまいりたいと考えております。
◆【植村・コメント】
常勤の館長の設置については、必要性を感じ、今後具体的に検討して行くとの事ですので、評価を致し今後の入館者と売り上げの増収に期待を致したいと思います。そして、この入江泰吉写真記念美術館を中心とした、地域活動の推進や教育、文化振興、観光振興に、寄与できる本市はもとより、飛鳥地区、高畑地域の街づくりに取り組んで頂けるように要望をしておきます。