奈良市議会報告

3月定例議会 一般質問(3)
危険な、奈良市の子ども条例について

平成26年3月6日(木)
質問: 植村佳史/答弁: 子供未来部長

子ども条例について

検討段階の骨子素案が出され来年度、策定費310万円が計上されている「奈良市子ども条例」について、平成12年に川崎市で制定された「子どもの権利に関する条例」などを皮切りに、他市においても同様の条例を制定する動きが出ており、元は我が国が平成6年に国連の「児童の権利条約」を批准したことが、この動きの原点となっている。
しかし、こうした条例制定に「子供が権利ばかり主張して、家庭でのしつけや学校の指導が難しくなる」など、批判の声も出ており、広島市では約5万名の反対署名を添えた「広島市子ども条例制定に反対する請願書」が市議会に提出され、条例制定検討が中止に成りました。その理由として、国連の「児童の権利条約」とは、発展途上国で貧困、人身売買や児童売春、児童の戦闘参加、自爆テロなど厳しい状況にさらされている、子供を救済するのが主眼の条約であることから、平成6年5月20日に文部科学省は、本条約は,基本的人権の尊重を基本理念に掲げる日本国憲法,教育基本法並びに我が国が締約国となっている事から,教育関係について特に法令等の改正の必要は無いとしています。そこで、その事に関しまして数点質問を致します。

●【植村・質問-1】

奈良市こども条例の検討段階の骨子素案では、奈良市に対して「子ども会議」の設置が義務化され、子どもの「意見表明」と「参加」する権利が記載されており、学校園や親等に対して、生徒が学校で定められた校則等に対して「意見表明を決議」し、それを最高責任者である「市長に提出することができるものとする」とあります。すなわち子供達が望む、どのような(我がまま)な決議でも、市長に意見を提出することができる、要するに救済を求める権利が与えられています。これでは、教育委員会及び学校現場での円滑な学校運営の妨げになると懸念されています。その事に関してのお考えをお聞かせ下さい?

■【子供未来部長・答弁-1】

子ども条例検討委員会におきまして、子どもに関する施策について子どもが意見表明をし、参加する場として子ども会議を設ける、という規定を盛り込むことが検討されています。子どもに関する施策について大人だけで決めるのではなく、当事者となります、子どもの意見も聴き、子どもの最善の利益を考慮し、その中で「できること」、また「できないこと」をしっかりと子どもたちに説明し、未来の奈良市を支える大人になってもらえることが重要だと考えております。

●【植村・質問-2】

子ども条例検討委員会の委員は6名が在席されていますが、学校教育の専門家の方はおられるのか?

■【子供未来部長・答弁-2】

委員としては、小・中・高等学校の教員の方はおられませんが、子ども条例検討委員会には、教育委員会より学校現場を経験している職員等が参加をしております。

◆【植村・コメント-2】

やはり審議権のある委員には、教育のプロがいないと言う事ですね。

●【植村・質問-3】

子供の権利を主張する事もできる「子ども会議」なるものは、「定義で18歳未満その他とされている」その事から、奈良市内にある、県立、私立、国立の高等学校に通う生徒にもその権利があり、学校側にも義務が課せられます。例えばその学校の校則や教師の指導に関して、「バイク通学や、携帯電話の教室持ち込み禁止等の自分達に都合の悪い校則等」でも、権利の主体者として尊重される事から、子ども会議に参加して各々の意見表明や決議をして、奈良市長に提出し、本市や県立、私立高校側は、その思いや意見に耳を傾け、子供の最善の利益を第一に考慮し、子供の権利の擁護に努めなければなりません。2年間14回の検討委員会の中で県教育委員会や、私立・国立の小中高等学校の責任者には、その事で協議をされたのでしょうか、又、今後協議される予定はあるのでしょうか?

■【子供未来部長・答弁-3】

現在、県教育委員会等との調整までは進んでおりません。今後、中間報告がまとまりましたら情報提供を行い、そうした関係者の皆様からも幅広くご意見をいただきたいと考えております。

●【植村・質問-4】

今後の予定についてお示しください。

■【子供未来部長・答弁-4】

条例骨子案を中間報告としてまとめ、パブリックコメント等の実施(6月)を考えており、その中で市民の皆様から広くご意見いただくとともに、この条例の主旨をご理解いただけるような取組も行っていきたいと考えております。
その後、子ども条例検討委員会から最終報告をいただき、議会(12月)に条例案を提案させていただきたいと考えております。

◆【植村・コメント総括】

検討委員会を2年間も協議してきて、県立高校等に通う生徒の申し立てを市長が受けて、県立高校に乗り込む行為を認める条例を一度も県教育委員会に相談も協議もせずに骨子素案を作成したとは、いったい検討委員会に参加していた、本市の教育委員会は何をしていたのですか?

今回の質問で、様々な大変重要な問題点が発覚してきました。
(1)日本に馴染まない児童の権利条約から来る様々な弊害 (2)円滑な学校運営の妨げ (3)組長の教育現場への直接介入による教育の中立性確保の問題、(4)県教育委員会所管事務や私立、国立学校園への越権ともとれる行為等が、含まれている事。そして最も懸念される問題点の一つが、他市に見る、教師や親等に対して、子どもの権利の侵害対策としての第三者機関である「人権オンブズパーソン」や「子どもの権利擁護委員」の設置であります。これがもしも設置され「子ども会議」から救済の意見表明が出されると、その第三者機関は「子どもの権利」を侵害したと疑いのある者に対して、尋問や資料提出を求めたり、「勧告」したり「是正要求」と称して、事実上の社会的制裁をすることが可能と成ります。これでは学校現場や家庭教育での躾において大きな悪影響を及ぼす事が懸念されています。結果として「奈良市こどもに甘いまちづくり条例」と揶揄されないようにしたいと願うところです。NHK大河ドラマ「八重の桜」にありましたが、会津の人材育成の指針"什の掟"(子弟教育7カ条の最後に)「ならぬことはならぬものです」とあります。ルールを守ると言う事をいかに重要かという事を、先ずは指導しなければならないと思います。

そのような事から、ぜひ仮称「奈良市こどもにやさしいまちづくり条例」は、日本にそぐわないと考えられる「児童の権利条約」とは、きっぱり!決別して、奈良市独自の「子ども条例」にして頂けるように要望しておきます。

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