奈良市議会報告

3月定例議会 一般質問(2)
太安萬侶の墓誌の国宝指定を求める要望について

平成26年3月6日(木)
質問: 植村佳史/答弁: 市長

太安萬侶の墓誌の国宝指定を求める要望について


太安萬侶の墓誌の国宝指定を求める要望
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●【植村・質問-1】

文化と観光行政について、我が国最古の歴史書「古事記」を編さんしたことで知られる、太安萬侶の墓誌は、昭和54年1月、奈良盆地の東方、奈良市此瀬町の茶畑で、故竹西英夫氏の手により発見され、その後、昭和56年6月9日に国の重要文化財の指定を受け、現在は奈良県立橿原考古学研究所附属博物館に保管されているのですが、先日、この古事記編纂者の太安萬侶の墓誌発見場所の田原地区自治連合会より、この墓誌を国宝指定に成るように関係機関に働きかけてほしいと言う要望書が、仲川市長に出され、又陳情書が議長に寄せられました。
そこで私どもも、この関連の事について調べてみますと、古事記編纂1,300年の記念すべき年に当たる、平成24年10月4日、その墓誌から、線刻された銘文とほぼ同じ字体の毛筆跡が発見されたと、県立橿原考古学研究所が発表し、大変大きな話題となりました。墓誌発見当時の調査では、それが何であるかわからなかったのですが、30年の時を経て、科学技術の進歩で、この墓誌に記された毛筆跡が確認されたとありました。国内では、これまでに16例の墓誌が出土しているが、墓誌に銘文と毛筆が併存している例は、この太安萬侶の墓誌が最初であり、世界的にも例がなく、学術的にも極めて貴重な考古資料であるとともに、奈良市民ひいては日本国民の歴史的な至宝である事がわかります。この太安萬侶の墓誌は、その歴史的重要性や我が国の国民的価値観から見て、同法の趣旨や国宝の指定基準を十分に満たす事から、本市においては、国際文化観光都市としての奈良市のさらなる発展の為に「日本の歴史が証明された町、田原」で発見された、太安万侶の墓誌が、本県199番目の国宝に指定されるよう、関係機関に働きかけていくべきだと考えますが、その要望を受けて、どのようにお考えなのかお聞かせ下さい?

■【市長・答弁-1】

太安萬侶墓誌(おおのやすまろぼし)は、発見から2年後の昭和56年に、国の重要文化財に指定されたもので、現在、国が保有し、奈良県が管理責任者となっているものでございます。
議員ご指摘のとおり、国宝指定ということにつきましては、「文化財保護法」第27条2項に定められておりまして、「文部科学大臣は、重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものを国宝に指定することができる。」とございます。当該の条項の適用を受け、国宝指定が実現されるとなれば、それは、田原地区だけにとどまらず、奈良市にとりましても、たいへん誇らしく喜ばしいことになろうかと存じます。したがいまして、ご要望につきましては、その内容を文化庁と奈良県に、しっかりとお伝えをし、検討いただけるよう要請をしてまいりたいと思っております。

◆【植村・コメント】

太安萬侶の墓誌を国宝に格上げの件ですが、早ければ早いほど良いのは言う迄も無く、遅くとも2020年東京五輪及び日本書紀編纂1300年までには、実現できればと願うのであります。しかしそう簡単に国宝に成るとは思いませんが。声を上げて行かなければ、成るものも成らないと思いますし可能性が0でも無いと聞きます。もし実現されると、東部地域の振興にも大きく寄与しますし、田原地区は正に国の歴史が証明された町として観光名所となり、それだけにとどまらず、奈良市にとりましても、たいへん誇らしく喜ばしいことになろうかと存じますので、これは本当にオール奈良市の体制で取り組んで頂きたいと要望致します。

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