奈良市議会報告

観光文教水道委員会 奈良市清酒の促進条例

平成25年9月25日(水)
質問:柿本議員 /答弁: 植村佳史

●【植村・説明】

私より、議会議案第11号 奈良市清酒の普及の促進に関する条例の制定について、提案の趣旨説明を申し上げます。

私ども自由民主党奈良市議会議員団では,奈良県酒造組合に加盟されている蔵元の皆様から、日本酒の消費が全国的に低迷しているなかで、他市では日本酒の普及促進に関する条例の取り組みが進んでいるが、奈良市は「日本清酒発祥之地」であり、日本酒は奈良の伝統産業であるので、元祖として他市に負けないように日本酒で乾杯する習慣を広め、日本酒の普及促進をお願いしたいとの要望を頂いております。

ご存じのとおり、本市菩提山町に所在する正暦寺は、1440年頃には境内を流れる菩提仙川の清水を用いて清酒を醸造し手広く販売していたとの記録から「日本清酒発祥之地」とされており、酒造りの先進地だった奈良で「奈良漬け」も生まれました。特に「奈良酒」「諸白(モロハク)酒」は高級酒の代名詞となり、当時の葡日(ほにち)辞典に記載されている酒に関わる単語のほとんどが奈良酒に関わりのある語で占められていました。また、幕府が開かれた江戸でも「奈良酒」は珍重され「くだり酒」として奈良から江戸へと運ばれました。以上のように歴史的背景からみても奈良は日本清酒発祥の地であり、清酒は奈良市の伝統産業であると言うことができます。

しかし、全国的に清酒の生産高は下降傾向にあり、国内の蔵元数も昭和48年に3,303蔵あった酒蔵が、平成22年には半分以下の1,600蔵にまで減少し、奈良市においても例外ではなく、平成5年に蔵元数は20軒ありましたが、平成23年には10軒(酒蔵は5軒)と半減し、生産量も平成5年には4680klありましたが、平成23年には1279klと27%(約1/4)に減少しています。このままでは、全国的に10年後には、蔵元数が1,200蔵近くにまで減るのではないかと危惧されています。

そのようなことから、清酒を伝統文化と捉えて、地域の文化継承と経済活性化を目指す目的で、今年1月、京都市議会が全国に先駆けて日本酒での乾杯を勧める条例を制定されて以降、酒どころとして有名な白山市、西宮市、東広島市、三木市、福島県南会津町、佐賀県など約10の自治体が同様の条例を制定されました。このままでは、日本清酒発祥の地としての奈良市の存在意義が失われていくだけではなく、伝統文化・伝統産業及び観光産業の衰退に繋がっていくと危惧されております。

そこで、「日本清酒発祥之地」の元祖的な役割を果たす為、奈良市において、奈良の清酒による乾杯の習慣を広め、清酒の普及を通した日本文化と奈良市の伝統文化への理解の促進に寄与するとともに、本市の地域経済の活性化を図ることを目的とする「奈良市清酒の普及の促進に関する条例」を制定しようとするものであります。当然のことながら、拘束力や罰則があるものではございませんが、この条例の制定を機に、本市において、宴会などでは「日本清酒発祥之地」として清酒による乾杯が習慣化されるよう望むところであります。

以上、提案の意義と趣旨を御理解いただき、議員各位におかれましては、御賛同いただきますようお願い申し上げまして、提案の趣旨説明とさせていただきます。ありがとうございました。

★【議長-1】

これより質疑を行います。質疑はありませんか?

■【柿本・発言】

議長!

★【議長-2】

5番柿本議員!

■【柿本・質問-1】

議会議案第11号について、提案者の植村議員に2点質疑を行います。

嗜好品である酒類の飲み方を、条例制定により一定方向に導くのは、議会の権限を超えているように思いますが、どのような見解をお持ちですか?

●【植村・答弁-1】

柿本議員のご質問にお答えいたします。
嗜好品である酒類の飲み方を、条例制定により一定方向に導くのは、議会の権限を超えているのではないか?とのご質問ですが、この条例は、拘束力も罰則もありません、ビールで乾杯をしても、ワインで乾杯しても、ジュースで乾杯してもかまいません。奈良の清酒、すなわち地酒による乾杯の習慣を広めることで、「日本清酒発祥之地」である本市で、清酒の普及を通して、日本文化と奈良市の伝統文化への理解の促進と地産地消の推進で地域経済の活性化を目的としており、いわば理念的な条例でありますので、特に議会の権限を超えるものではないものと考えています

■【柿本・質問-2】

次に、お酒と言うのは健康や人間づき合いにも影響を及ぼすが、無責任な条例制定が、結果として個人に悪影響を与える事にならないか?

●【植村・答弁-2】

次に、無責任な条例制定が、結果として個人に悪影響を与える事に成らないのかとのご質問ですが、この条例は、アルコールの総量消費を進めるものでは無く、宴会やパーティーの場で身近に行う乾杯を清酒ですることで、日本清酒発祥の地としての日本文化と、奈良市の伝統文化や伝統産業への理解の推進でありますので、その点を市民の皆様に条例の趣旨を正しく理解して頂く努力は、必要であると考えております。あわせて、飲酒に関するモラルやマナー等も啓発する必要があると考えています。以上でございます。

★【議長-3】

他にないようですので、議会議案第11号は、観光文教水道委員会に付託致したく思いますが、そのようにさせて頂いてよろしいでしょうか?

◆【全員】

異議なし!

★【議長-4】

それでは、付託致します。

●【植村・報告-1】

観光文教水道委員会の日程は11月5日(火)13時より開催が決定しました。ここで議論が行われ採決が決まります。

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