9月議会 一般質問(4) がれき風評被害対策について
平成24年9月11日(火)
質問: 植村佳史/答弁: 環境部長・観光経済部長
●【植村・質問】
震災がれきの広域処理について関連事項についてお聞きします。
本年8月8日の報道では三重県は岩手県久慈市のがれき可燃物2千トンを、25年末までの処理完了を目指して、受け入れ実現を目指すとありました。そして記者会見で鈴木知事は、同市のがれきの放射能濃度はほぼ検出限界値を下回っていると説明し、「安全性も高い。受け入れ実現に努めたい」との事でした。しかし「三重県では名張市、伊賀市など一部市長村が、がれき受け入れに前向きな姿勢を示しているが、住民説明会では反対の意見も出ている。」とありました。
そして、がれき処理に関しては、全国的に協力が求められており復興の重要な課題であるにも関わらず、それがなかなか進まない原因の一つとして、他市に見られるように、観光地を抱える市町村においては風評被害への懸念が根強く、当初は自治体に抗議や苦情が殺到したとの報道もあります。そういった、市町村自治体おいては、がれきに含まれる放射性物質の濃度を独自に数十回も測定して、住民説明会等で数値を示して安全性を訴えたりしていると聞きおよんでおります。
この事に関して、奈良市の東部山間の農家や観光関連事業の方々からは、伊賀市等に隣接している事から、農作物や観光事業の風評被害に関しての心配の声が寄せられています。
そこで、その事に付いて、数点質問を致します。
1点目に、伊賀市など一部市長村が、がれき受け入れに前向きな姿勢を示しているとありますが、実際のところはどうなのか?現状などもお聞きします。
2点目に、伊賀市などが「がれき」受け入れをされる場合は、東部山間農家の農作物や観光産業の風評被害に関しての対策は必要であると考えるが、具体的にどのように計画しているのでしょうか?
■【環境部長・答弁】
伊賀市などが、瓦れき受け入れに前向きな姿勢を示しているとありますが、実際のところはどうかについてでございますが、三重県では、被災地の復旧・復興に向けて、災害廃棄物の円滑な広域処理が必要であることから、被災地の災害廃棄物について一定の条件が整うことを前提として、本年4月20日に市長会及び町村会と災害廃棄物の広域処理への対応に係る合意書を交わされました。その後、6月には三重県における「東日本大震災の災害廃棄物処理に関するガイドライン」を策定され、これを受け伊賀南部環境衛生組合などでは、現在、災害廃棄物の広域処理の必要性やガイドラインによる処理における安全性の確保などについて、地元住民説明会の開催に取り組まれている状況にあります。
このことから、本市といたしましては引き続き三重県における広域処理への動向に注視しながら、進捗状況等の把握を行っていきたいと考えております。
■【観光経済部長・答弁】
東部農家などの農作物や観光への風評被害対策についてでございますが、市としましても東部や月ヶ瀬・都祁の農作物や観光への誤った風評被害が起きないよう、注意を払います。三重県の「三重県における東日本大震災の災害廃棄物処理に関するガイドライン」や環境省の「風評防止総合対策」を参考にしながら、また県の今後の動向にも注視し、慎重に対応してまいります。
なお、市産の農作物や奈良市観光に対する安全を広く対外的に周知する際は、市のホームページや他の媒体をも利用しながら、食の安全・安心や市へ観光で訪れる人々への安全についての周知に努めてまいりたいと考えております。
◆【植村・コメント】
三重県の岩手県久慈市のがれき可燃物の受け入れに関しては、努力して頂いていると感じていますが、やはり全国的に注意しなければならないのは、誤った風評被害であります。
本市としましても東部や月ヶ瀬・都祁の農作物や観光への影響がでないように、最新の注意を払いながら三重県とも情報交換をして頂く様に要望しておきます。