「酒の教養」について
お酒こそは人類の宝。
豊かなる人生の友人である。
さて、下戸の人は別にして
お酒の選び方には状況に応じて3種類あると思う。
●こだわり酒
●コミュニケーション酒
●やけ酒
●こだわり酒
私は「日本酒」党である。
酒と名の付くものは何でもたしなむ方であるが、
やはり、「日本酒」が一番好きだ。
日本酒は世界に誇る伝統ある芸術品だと思っている。
私は家では絶対「純米酒」以外の日本酒は飲まない。
醸造アルコールが入ったものは日本酒ではないと私は思うからだ。
吟醸・大吟醸ももちろん大好きだが(・・・値段が高い)
中には、〈醸造アルコール入り〉があるので注意が必要。
米と水だけで作るのが、本来の日本酒なのである。
ビールも同じことが言える。
ほとんどの日本のビールでは麦とホップ以外に
コーン・スターチやお米を原料に入れている。
(お手持ちのビールのラベルを良く見て頂きたい。)
本場ドイツではそんな混ぜ物入りの物を
ビールと呼ぶことは決して許されない。
うまい、まずいと言う前に
まず当然の知識を持ってお酒を選ぶべきだ。
ただ、これはあくまでも私個人の考え方であって
他人に強要したりしない。
つまり、「こだわり酒」とは本当に同好の士と一緒か、
いなければ独りで飲(や)る、自分だけの酒選びのことである。
●コミュニケーション酒
では特に酒の種類は何でも良いのだ。
「熱燗が美味しい季節だね」と気持ちよく酌をしてくれている
仲間(上司・同僚・取引先・友人・etc・・・)に対して
自分の「こだわり」を持ち込むのは失礼である。
(日本酒の場合、巷の飲食店ではベチャべチャで甘ったるい
大手酒造メーカーの粗悪酒が大多数を占めているのが現実。
私は正直、反吐が出る思いであるが・・・・・。)
忘年会など何かとお酒を飲む機会が多い季節。
集まる人員に限らず、「こだわり」を捨て
周りに合わすのも一つの教養である。
なぜなら、この場合は親交を図ることが目的なのだから、
自分の嗜好は小々我慢すべきである。
気を許している相手でも自分の知識や考えを押し付けると
反対に馬鹿にされてしまう。
求められた時そっと差し出すもの、それが「教養」であると言える。
●やけ酒はどうか?
これこそどんな酒でも良い。できるだけ早く酔えれば良いのだ。
逆に、宿(二日)酔いの強烈な粗悪アルコール入りの方が良いのかもしれぬ。
さて、もう一つ酒選びの場面があった。
●ケンカ酒である。
酒を飲んでいる内にケンカしてしまうのではなく
最初からケンカを吹っかける場合に適用。
それこそ嫌いな上司にケンカを吹っかける場合など
(・・・まともな人はしないよね・・・)
酒の知識があれば強烈な武器となる。
「あ、ぼくエビスビールしか飲まないんスよねえ・・・・・」とまず挑発。
「角瓶ってなんスか?どこの地方のスコッチなんスか?」
女性がわざと男性に嫌われる方法もある。
(つまり、、、、、この男と縁を結びたくない場合など)
ここが勝負所と、ある男は意中の女性を
西洋料理店に誘い出すことに成功。
料理のコース選択は難なく終わり、次のワイン選びの場面。
「私、ブルゴーニュ産の1970年ものしか飲まないの!」
そっとメニューを見ると今夜のディナー代の3倍もする・・・・・。
男はそっとトイレに行く振りして逃げるしかない。
(・・・・・その男とは若き日の私です・・・・・・)
そんな事にならないよう、
ここらでワインの教養もつけたいところだ。
2001年12月8日◆祭 作太郎
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