人脈の話


★「人脈について」 


関西交流大学が「新版 人脈がいっぱい(中島孝志/著)」の巻末
「おすすめ交流会100」の中に掲載されたことに関連して
今日は、人脈について考えてみたい。

そもそも人脈とは何だろう?
とこの観点から考えてみる。

親・兄弟・親戚などの「血縁」関係がもっとも濃い
「人脈のこと初め」であることは確かだ。
20名ぐらいの中小企業なんかでは
経営者も社員もほとんど親族関係なんてケースも多々見受けられる。
人気企業の親の七光り・・・・「コネ」就職もその一つ。
お互いやりにくい反面、身元が保証されているというメリットもある。

次に地縁関係。
つまりご近所さんなのだが、意外に人脈の基本である。
夏・秋などの「祭り」など行事の基
郷士会的な強固なコミュニティー参加を求められる場合もあり
地方にいくほどこの傾向は強いようだ。
「竹馬の友」と言葉があるが、幼馴染の友人と一生つき合う。
これほど堅い絆はない。
また、大都市にはその地方出身者で作る〜県人会なんてものもある。

地縁・血縁が日本古来からの人脈の基本で
源平合戦、戊辰戦争の頃から今も変わらない。

現在は多くの人が高等教育を受けるようになった。
ここで、「学閥」というコミュニティーが誕生した。
同窓生ならずも、同じ学校の出身者なら
なるたけ便宜をはかってやろうというのが人情ってもの。
初めて商談に出かけた場合でも、訪問先の人間が同じ学校出身だと聞くと
一気に距離が短くなるものである。
企業、官庁内などでは時にこの「学閥」が問題視される場合もある。

「社内人脈」・・・・これが多くの方が毎日接している場面であるかも知れぬ。
出世頭の典型は同じ職場の住人だけでははなく、
他部署の連携もをうまく取る。
まあ、社内遊泳がうまくても肝心の仕事ができないと意味ないけど・・・。

「社外人脈」・・・・・(やっと本題に入れそうだ。)
この場合も2つのケースがある。
一つは、取引先関係や同業者関係である。
つまり広義では身内である。

取引先の方と仲良くなって飲み友達となる・・・・・。
こんなパターンは結構多い。
最初は接待酒、つき合い酒、次第に自腹酒となれば悪い関係ではない。
ただ、問題は取引があるとそこには利害が絡む
という純然たる事実が待っている。
本当に腹を割って話せるのは、むしろ取引が完全に中断した状態かもしれない。

同業者関係も案外結束が固いだ。
(大阪しかよく知らないが)どんな業種にも大概
〜協同組合なぞというギルドが存在している。
月に一度は会合をし、年に一度は温泉旅行に行き総会を開く・・・・
なんてのは珍しくない。
ここで大きな連帯感ができ刎頚の交わりに発展することも。

考えればライバル同士なのに結構仲が悪くない。
(JRと旅行業者複数が総会を開き温泉に行くってのも知ってますう?)
新興企業で大躍進している所は、この類のギルドには加盟しない
って話もよく聞く。ただ、風当たりが強く生き残るは少数であるとも。


さて、もう一つの「社外人脈」を創るのはどうするか。
・・・・・(本当に、本題に入れそうだ。)

利害を絡めず自由なスタンスで友人を見つける。
「ロータリー」、「ライオンズ」、「青年会議所」などが
伝統ある(異業種)交流会の発祥であろうと思う。
ただ、一般(大衆)的ではない。
ある程度のステイタスを求められるからだ。
仮に技能、人格等推薦された所で
普通のサラリーマンでは金銭的に負担が多く無理である。

そこで今、関西交流大学を始め多くの
新スタイル交流会が登場している。
もちろん、結構会費が高いもの、営利目的のものも存在するが
多くは実費のみで運営しているケースがほとんどだ。

特に現在インターネットが普及したおかげで
会報誌の印刷代、連絡通知の切手代などが
パソコン一つで節約できる。ここが実に大きい。

結局ところ、一般人が「人脈」を養えるのは
非営利組織の交流会しかないと言える。

「新版 人脈がいっぱい(中島孝志/著)」の本でも
最初の項に勉強家(交流会)の参加を促している。
つまり、まずは交流会に参加せよとのことだ。

コミュニケーションの基本姿勢、
自己PRのテクニック
自己研鑚方
などが書かれている。

私が思うに一番重要なのは「人脈」に対する目的と計画性の明確化だと思う。
なんの為に「人脈」を広げたいのか、
将来をどう見据えて行動すのかが大切なのだ。

それは各人でも大いに違うし、一概には語れない。
その人の能力や見識など大きく左右される場合もあるだろう。
環境や時間的な問題もある。

血縁、地縁が薄れつつある現代社会。
ただ一つ言えることは、
職場も社会も誰も面倒を見てくれる存在は元々ないのだ。

★「個」本来の力を呼び戻すしかない。

来週の公開講座には、(そ・れ・に)気づいた
新たな逸材たちが何人集うのだろうか。

2001年11月17日 ◆祭 作太郎


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