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      枕詞 
         
      近年の通信技術の発展により、携帯電話やPDA(携帯端末)を利用して、 
        一見業務の効率化も図られているように見える。 
        主体業務以外の付帯業務の合理化が進められているようだ。 
       
        例えばカーナビやiモードから得られる交通情報により、 
        渋滞が無く効率の良い巡回ルートを確保することができる。 
      また会社との連絡や情報のやり取りが携帯端末で逐一できるため、 
        訪問先で急に在庫状況が必要になった時や、 
        本部決済の可否確認などをスムーズに進めることができ、 
        受注までの訪問回数を縮めるなどの成果が出ている。 
      日報などの報告書類も、電子日報の導入により直行直帰を可能にし、 
        移動時間などの付帯時間の削減に寄与している。 
       
        しかし残念ながら、これら主体業務をこなすための 
        時間的猶予を増やす工夫だけでは、 
        なかなか業務そのものの効率を上げるまでには至っていないのが現状。 
      そもそもの業務自体の段取りが悪くては、何の効率化への努力も空しく終わるだけ。 
        実際には、キチッとした業務スケジュールを作成し、 
        それをもって業務に取り組まなければ、 
        本当の意味の効率化には及ばないのだ。 
      ★★★★★★傾向と対策★★★★★★ 
      1・ 中小企業は足らないものだらけ 
        2・ 改善見込みの無い企業は対象外 
        経営者(最終意思決定権を持つ人)で全ては決まる 
      特に足らないもの 
        ・ 明確な事業計画 (簡単なものも含めて) 
        ・ 行動レベルのスケジュール管理 
      要するに、会社もそこに働く人も、 
        今しているその仕事を、何のためにしていて、 
        今後どうなるために、何をしなければならないか 
        が、見えずにただ忙しく日々を送っていると言ったケースが非常に多い! 
       
        ★★★★★★目標と計画の立て方★★★★★★ 
       
        目標の立て方と、計画の立て方を以下の例を使って解説してまいります。 
      今年のプロ野球も、ヤクルトの日本一で幕を下ろす結果となりましたね。 
        しかしペナントレースが始まる前はどこの球団も 
        リーグ優勝を目指していることは言うまでもありません。 
      各々の監督はまず年間の勝ち星目標を設定し、 
        何勝すれば優勝できるかと言う計画を立てることでしょう。 
      そして、この計画を実践していこうとします。 
        そしてひと月が過ぎる。 
      すると、例えば計画どおり実行できていないことが分かったとしましょう。 
        これでは、翌月には何勝かよりはるかに多く勝ち星を増やさなければならない。 
        そこで今までの実績に基づいて新しい計画を作り直します。 
        そしてまた、作り直した計画に従って実行し、 
        ある期間たったらまた見直す。また計画を立て直す。 
      このように計画し、実施し、見直すということを繰り返していく。 
        これを管理のサイクル。すなわち 
       プラン(PLAN)・ドゥ(DO)・シー(SEE) 
          
        これは皆さんなじみのある言葉だと思います。 
         一見正しいかのようにも見えます。 
      しかし、実は上の例では、 
      ★何をしなければならないかレベルでの計画性★ (重要) 
      が全く考えられておりません。 
        多くの中小企業の現状は多かれ少なかれ、このような状態です。 
      例えば、年間勝ち星目標を76勝と仮定します。 
      そして76勝するためには 
      ・・・・・・どんなピッチャーが何人くらい必要か、 
        ・・・・・・どんな攻撃陣・守備陣が必要であるか 
      ということを考えて、 
        これらの条件をみたすような組織作りをするためにはどうすればよいかと考えます。 
      (更には、その組織のために一所懸命働こうと思うような動機付けの諸制度 
        (例えばボーナス制度)をつくり、ゲームに挑む) 
      ・・・・・・の箇所が目標にあたります。 
       
        ある研究調査で、仕事をするのに、 
        その仕事は何故しなければならないかを理解させてから仕事をさせるのと、 
        ただ指示し、その仕事をさせるのでは、 
        仕事の能率が、2.7倍開きがあると言う結果が出た。 
      まさに、その仕事は何のために今しなければならないかをハッキリさせ、 
        ゴールを定めて臨まなければならないことを示唆しているのです。 
       
        ★★★★★★行動レベルのスケジュール管理★★★★★★ 
       
        ・・・・・・・・・・単なるアポ管理をしたセールスマン・・・・・・・・・・  
       例えば、事務機器を販売しているケースで、あるお客様から 
        「今度新しくオフィスを開きたいのだけれど、 
        ちょっと相談にのってくれないか」という依頼の電話が入ってきたとします。 
      「あまり業績のよくないセールスマン」のY君は 
        「はいわかりました。ではあさっての午後1時ではいかがでしょう」 
        と答え、アポを入れました。 
        そして日程表に、「○日午後1時 A社訪問 要件新オフィス開設」と記します。 
       お客様の話の様子ではかなり大きな商談になりそうなので、 
        いろいろ資料の準備が必要になってきます。 
        Y君は明日の午後に2時間程度のあき時間があるのに気づき、 
        「A社訪問準備」と書き込み、 
        アシスタントの方に時間をあけておくように伝えました。 
      ●一見これで、スケジュール管理は万全のような気分になるかも知れません。 
        しかし現実には、そうはうまくいかないのです。 
       翌日準備をしようと、A社のファイルをとりだしたところで、 
        B社からクレームの電話が入りました。配送業者の納期遅れです。 
        今日中と言われていた机が届かないということでした。 
      そこでY君は配送業者へ電話しましたが担当者が不在で要領を得ません。 
        それでともかくB社におわびの電話を入れ時間稼ぎをすることにしました。 
        その間、Y君のアシスタントは手持ち無沙汰でボーッとしています。 
       さて、ようやくA社訪問の準備にとりかかったのが1時間後でした。 
        「あ そうだ」とY君は気づきます。A社は在庫管理に 
        オンラインシステムを導入しています。 
        きっと、今後の事務所にもコンピュータが入るはずです。 
        でも何人位のオフィスでしょう。 
        場所はどこでしょう。どれくらいの規模のコンピュータを入れるのでしょう。 
       Y君はA社の社長に電話を入れます。しかし先方はいらっしゃいません。 
        仕方がないので、とりあえず、ワークステーションの資料を 
        用意することにしました。 
      アシスタントに、 
        「この間メーカーさんにもらったワークステーションの資料を出して」 
        と指示しました。「えっ?」とアシスタントは理解しません。 
      「ほら、あの表紙の青いやつ」と、とにかくのドタバタを終え、 
        2時間たちましたが、 
        結局メーカーのワークステーションの資料を見つけただけで済んでしまいました。 
      ●結局Y君は何の準備もできないばかりか、時間をロスし、 
        アシスタントに不快な思いをさせるだけで、その日を終わってしまったのです。 
      ●しかし、業務を受けた時にすぐに行動展開をする 
        セールスマンなら違う行動をとります。 
        次の事例で見てみましょう。 
       
        ・・・・・・・・・・業務の業務展開をしたセールスマンの事例・・・・・・・・・ 
       
         セールスマンのS君は、 
        Y君と同じようにA社から「オフィス新設」の電話を受けました。 
        そして明後日までに何をすればよいかをまず考えたのです。 
      ・ 手ぶらで訪問するのも面白くないから、何かこちらから提案しよう。 
      ・ そのためには、オフィスの大きさや、 
         人数をもう一度先方にきかなければならないなあ、 
         よしこれはこの後すぐにしよう。 
      ・ 今すぐ提案できるものは、 
         メーカーのワークステーションだから資料を 
         アシスタントに探しておいてもらおう。 
      ・ メーカーにもう一度電話してみてもいいなあ。 
      ・ そういえば、課長が一度A社を訪問されたことがあるなあ。 
         課長に先方の社長の好みを聞いておこう。えーっと、 
         課長は明日は出張から帰って来られるなあ。明日相談すればいい。 
      ・ あ、あした2時間の時間がとれる。この時ちょっとした提案書をつくろう。 
       
         段取りを決めて、S君はA社の社長に電話をしました。 
        社長は、それならということで、新オフィスの図面をFAXしてくれました。 
       メーカーは、ついでがあるからと、 
        いくつかの最新のパンフを明日持ってきてくれると言います。 
      アシスタントのスタンバイもできました。 
          
         そして、翌日B社からのクレーム対応で1時間がつぶれたものの、 
        残りの1時間で、企画書をまとめあげ、 
        されにメーカーから取り寄せた最新のパンフレットと、 
        ワークステーションの資料を持って、A社を訪問することができたのです。 
      先方の社長は、訪問時の第一声で、 
        「ほーっ、さすがに仕事が早いねぇ。もう文書までまとめてくれたの」 
        と大喜びです。 
        商談がトントン拍子に進んだことは言うまでもありません。 
      ★著者: 武田 
        秀一(たけだひでかず) 氏★ 
      大手生保系列のコンピューター会社を経て 
        税理士事務所内のコンサルティング会社にてコンサルタント業に就く 
        税理業務とコンサルタント業務に従事しその後独立 
        現在 武田経営研究所 代表 
      経営者・後継経営者のための経営者養成講座をはじめ 
        各種新人社員活性化研修・営業部活性化研修・人事評価システム構築 
        などを手掛ける 
        また最近では、学生やサラリーマンの創業・開業支援、 
        中小企業の異業種進出支援を次々と手掛ける 
      弁護士・弁理士・司法書士・会計士などのネットワークをもち 
        顧問企業にさまざまなサービスをもれなく提供している 
      著書 「本物時代から本気の時代」がある 
      連絡先 武田経営研究所 
        三重県名張市美旗町藤が丘147 〒518−0610 
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