ズグロカモメ(チドリ目カモメ科)頭黒鴎
Larusラルス カモメ属-ギリシャ語でglarosカモメの一般名
saundersi(サンダースイ Saunders氏 英博物学者)

Saunders's(Saunders氏の) Gull(カモメ類)      L32.5cm  W85p
レッドリスト 絶滅危惧II類

中国東北部、モンゴルで繁殖し、中国南部・台湾・韓国・ベトナム北部で越冬。
日本では冬鳥として主に関東地方以西の干潟や河口などに局地的に渡来し、特に九州北部には多い。世界的に個体数が少なく5000羽程度と言われているが、近年日本への渡来数は増加している。干潟への依存度が高く、カニ類を主食とする。ある高さを水平に飛びながら餌を見つけ、急降下して干潟上に降りて捕らえる。群れをつくることもあり、他のカモメ類の群れに混じる場合も多い。
【声】「キュッ」「ピュ」などと鳴く。

【名の由来】頭部が黒くなる夏羽の姿から、“頭黒カモメ(ズグロカモメ)”。(ユリカモメも夏羽で頭部が黒くなる)

2010/03/17  三重   夏羽     後方はユリカモメ(ユリカモメも夏羽では頭部が黒くなるが換羽時期が遅い)
後方のユリカモメに比し小さく、初列風切に白色部が多く黒色部が少ない
嘴が短く黒い(ユリカモメは長く赤い)
2年目で成鳥羽になる小型カモメ。雌雄同色。ユリカモメより少し小さくて、嘴が短く太めで黒い。体の割りに翼が長い。
冬羽;頭部からの体下面が白く、頭頂に2本の灰黒色線と、耳羽の後方に黒斑がある。背や翼上面は淡青灰色で、足は暗赤色。静止時は初列風切が黒く、先端には大きな白斑がある。飛翔時は翼上・翼下とも初列風切の黒色部が少なく見え、次列風切先端は白色帯になる。
夏羽;頭部が頭巾を被ったように黒く、眼の上下に白い縁取りがある。
幼鳥・若鳥;第1回冬羽は雨覆と三列風切などの軸斑は褐色。幼鳥は第1回冬羽に似るが、後頭に灰褐色斑があり、肩羽、雨覆、三列風切は軸斑が褐色で、羽縁が淡色であるため鱗模様に見える。
2004/03/16  三重 冬羽→夏羽       2005/01/29  三重  冬羽
左;ズグロカモメ冬羽  右;ユリカモメ冬羽
2008/12/07  尼崎  第1回冬羽 2012/02/26  三重   第1回冬羽
第1回冬羽;雨覆いに褐色の幼羽が残り、初列風切の羽先は黒く、尾羽の先にも黒帯がある
2012/02/26  三重  冬→夏羽 2010/03/17  三重  夏羽

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