ユリカモメ(チドリ目カモメ科)百合鴎
Larus(ラルス カモメ属-ギリシャ語でglarosカモメの一般名)
ridibundus(リディブンドゥス 笑うような(鳴声))

Black-headed(黒い頭の) Gull(カモメ類)     L40cm W92p

ユーラシア北部・イギリス・アイスランドで繁殖し、冬は南下して越冬。
日本では冬鳥として全国の海岸、干潟、河口等に多いが、川を遡って上流や内陸の湖沼にも飛来する。北海道では厳寒期には殆んどいなくなり、おもに旅鳥。群生が強く、大群をつくる。遠くへ飛ぶ時は緩やかな湾曲した隊列をつくる。浮いて水面の餌をとったり、上空から嘴で摘み取ることも多い。日本で見られる小型カモメ類の殆どが本種。
【声】「ギーッ」「ガッ」と鳴く。

【名の由来】“入り江カモメ”が転じて“ユリカモメ”となる。“カモメ”は鴨に似て小さいので“鴨妻(カモメ)”、鴨に似て群れているので“鴨群(カモメ)”などの説がある。
○奈良時代からカモメ類を総じて「カマメ」「カモメ」、平安時代から「カモメ」の名で知られている。江戸中期に「ユリカモメ」の名が現れる。異名;「ミヤコドリ」「カハカモメ」

◇馬見丘陵公園では、冬季に稀に飛来し池に浮かんでいることがあるが、群れでの観察例はない。

2008/04/30   三重    波うち際で採餌するユリカモメの群れ(頭が黒くないものは第1回冬羽様のものが多かった)
2年目で成鳥羽になる小型カモメ。雌雄同色。嘴は細く足は長めで、比較的スマート。
成鳥;頸からの体下面は白く、背や翼上面は淡青灰色で、尾は白い。初列風切の先端は黒く、白斑はない。翼上面は、初列風切の先端が黒く、外側数枚が白い。翼下面は初列風切の外側数枚が白く、後は黒い。
冬羽;頭部が白く、眼の上と耳羽の後方に黒褐色斑がある。嘴は赤く先が黒い。足は赤い。
夏羽;頭部が頭巾を被ったように濃い焦茶色で、眼の周りには前方が途切れた白い輪状縁取りがある。嘴と足は黒味を帯びる。
第1回冬羽;成長冬羽に似るが、雨覆と三列風切などの軸斑は褐色で羽縁は白い。初列風切は黒褐色。嘴と足は淡橙色。翼上面は小・中雨覆が褐色横帯になり、次列・初列風切の先が黒褐色。尾は白く黒帯が出る。
2006/11/17  兵庫  冬羽 2008/04/18  三重  夏羽(頭部が黒褐色になる)
2006/01/17  兵庫  第1回冬羽 2010/11/04  大阪  第1回冬羽 
 翼の上面(雨覆)に褐色味があり 尾の先に黒帯がある  嘴・足の赤味も薄い
2011/03/30  三重  冬羽 2005/10/30  奈良 群れで高く舞い上がり「ねぐら」に向かう
近畿の「ねぐら」は、大阪湾と琵琶湖にあり、
京都の街で見かけるものは山を越え琵琶湖に、
淀川などにいるものは大阪湾に戻り休むようです。

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