トモエガモ(カモ目カモ科)巴鴨
Anas(アナス マガモ属-ラテン語でカモ)
formosa(フォルモサ 素晴らしい)

Baikal(バイカルの) Teal(コガモ類)     L40cm
レッドリスト 絶滅危惧II類
奈良県レッドリスト 絶滅危惧種


シベリア東部で繁殖し、中国東部・朝鮮半島で越冬する。
日本では、冬鳥として本州以南の日本海側に多く渡来し、太平洋側では少ない。年によっては何箇所かで数百羽以上の群れが見られる。湖沼、池、河川などに生息し、水辺で草の実や水生の小動物を食べる。またドングリを好んで食べる。警戒心が強く姿を見る機会は多くない。
水面採餌(淡水)カモ類。
【声】「コココ」「クルップ」と鳴く。

【名の由来】頭部にある巴模様から“巴鴨(トモエガモ)”。
○奈良時代から「アヂ」の名で知られ、江戸時代になって「トモエガモ」とも呼ばれるようになる。明治時代の鳥類目録には「アヂカモ」「トモエガモ」が併記されていたが、大正時代に「トモエガモ」に統一される。

◇馬見丘陵公園では、毎年渡り期などの移動時に飛来するが長期に滞在することはない。

  (ガンカモ調査時の羽数 2009-1、2011-8、その他の年-なし)

2012/03/01    奈良    ♂若鳥第1回生殖羽  
♂成鳥;顔の模様が特徴的で、黄白色と緑色、黒色の巴形をしている。嘴基部から眉斑状に後頭に伸びる細い白線は側頸まで回り込み、後ろから見るとX字型になっている。胸は赤紫褐色で、小さな黒斑があり、側胸に白い横線がある。脇は青灰色。背からの上面は褐色で、肩羽の数枚は脇にかかるほど長く蓑羽状。下尾筒は黒く、白い横線がある。
♀成鳥;全体に褐色で、額から後頸の黒褐色部は、眼の上部とつながっている。過眼線と眉斑は眼の後方にしかない。頬は白っぽく、嘴基部に白斑がある。肩羽は他のカモ類の♀よりも長い。
♂♀とも;嘴は黒色。翼上面は褐色。翼鏡は緑色光沢で、大雨覆の赤橙色の羽先と次列風切後縁の白線に挟まれている。
♂エクリプス;♀に似るが、眼から頬にかけて不明瞭な黒線があり、肩羽が長い。(喉の白色部ははっきりしていない)
2007/02/16    大阪   ♂成鳥生殖羽   2012/03/01  奈良   長い肩羽が見える
 肩羽の数枚が脇にかかるほど長く蓑羽状になる
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