オオセグロカモメ(チドリ目カモメ科)大背黒鴎
Larusラルス カモメ属-ギリシャ語でglarosカモメの一般名
schistisagus(スキスティサグス schistスレート色のsagusマント)

Slaty-backed(背面が石盤色の) Gull(カモメ類)     L61cm  W150p

カムチャッカからウスリーにかけての沿岸・コマンドル諸島・千島・サハリン・北海道・東北地方北部で繁殖し、冬も繁殖地周辺にとどまるものが多いが、中国南部や本州から南西諸島にかけて南下するものもいる。
日本では、北海道・東北地方北部で繁殖し留鳥として分布し、離島の崖や草地に営巣する。それ以南では冬鳥として沖合、沿岸、港、河口などに渡来するが、西日本では少ない。群生が強く、冬には大群をつくる。
【声】「クワオ」「ミャーオ」と鳴く。「クァーウ、クァウ、クァウ、クァ、ア、ア、ア」と長く鳴くこともある。

【名の由来】背面が黒っぽい大型のカモメなので“大背黒カモメ(オオセグロカモメ)”“カモメ”は鴨に似て小さいので“鴨妻(カモメ)”、鴨に似て群れているので“鴨群(カモメ)”などの説がある。
○奈良時代からカモメ類を総じて「カマメ」「カモメ」、平安時代から「カモメ」の名で知られている。江戸時代からワシカモメ・オオセグロカモメ・セグロカモメなど大型カモメを「オホカモメ」「ワシカモメ」と呼ぶようになる。

2007/11/19  北海道   冬羽      下の右から2番目;セグロカモメ
4年目で成鳥羽になる大型カモメ。雌雄同色。
成鳥;形態はセグロカモメに似るが、背や翼上面は大型カモメでは最も濃くて黒灰色。嘴はやや太めで黄色く、下嘴の先に赤斑がある。足はピンク色。尾は白い。飛翔時は翼後縁の幅広い白色帯が目立つ。翼下面は先端の黒色部がセグロカモメより少ない。
冬羽;頭部から頸に灰褐色斑があるが、眼のまわりに集中する傾向のため、セグロカモメとは顔つきが違って見える。
夏羽;頭部からの体下面は純白。
幼鳥・若鳥;幼鳥は全体に灰褐色で、羽縁は淡色。初列風切は褐色で、淡色の羽先縁がある。第1回冬羽は頭部からの上面は白っぽく、幼鳥や第1回冬羽の嘴は黒色。
2007/11/19  北海道   成鳥・冬羽 2011/02/18  北海道   成鳥・夏羽
頭部から頸に灰褐色斑がある 頭部からの体下面は純白
2007/11/19  北海道 第4回冬羽 2007/11/19 北海道 第3回冬羽(翼全体に灰色味)
(嘴は黄色く赤斑があるが、黒斑が残る) (嘴に黄色味が、初列風切に白斑が出始める)
2012/01/13  北海道  第2回冬羽 2007/11/19  北海道  第1回冬羽
(虹彩が淡色になり、肩羽に濃い灰色羽) (頭部が白っぽく、雨覆が不揃い)
2011/02/19  北海道 2012/11/25  大洗-苫小牧航路  第1回冬羽
(全体的に暗色)

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