セグロカモメ(チドリ目カモメ科)背黒鴎
Larusラルス カモメ属-ギリシャ語でglarosカモメの一般名
argentatus(アルゲンタトゥス 銀色を持った)

Herring(ニシンを食べる) Gull(カモメ類)     L60cm  W145p

ユーラシア及び北アメリカ北部で繁殖し、ヨーロッパ・中国・北アメリカの沿岸部で越冬。
日本では、冬鳥として全国の沿岸部、沖合、港、河口、河川、湖沼などに多数渡来するが、本州北部や北海道では厳寒期には少ない。群生が強い。何でも食べる雑食性。
ロシアのチェトコ半島からタイミル半島で繁殖し冬に日本全国に多く飛来する亜種セグロカモメL.a.vegaeのほかに、北アメリカで繁殖し冬に関東以北に少数飛来する亜種アメリカセグロカモメL.a.smithsonianusがいる。
【声】「クワーッ」「アォッ」と鳴く。

【名の由来】背面が青灰色の黒っぽいカモメなので“背黒カモメ(セグロカモメ)”。“カモメ”は鴨に似て小さいので“鴨妻(カモメ)”、鴨に似て群れているので“鴨群(カモメ)”などの説がある。
○奈良時代からカモメ類を総じて「カマメ」「カモメ」、平安時代から「カモメ」の名で知られている。江戸時代からワシカモメ・オオセグロカモメ・セグロカモメなど大型カモメを「オホカモメ」「ワシカモメ」と呼ぶようになる。

◇馬見丘陵公園近くの大和川では毎冬観察するが、公園では2012年3月に上空を通過する冬羽成鳥を初めて観察する。

2007/04/15  三重  成鳥夏羽    (頭部は白くなる)
4年目で成鳥羽になる大型カモメ。雌雄同色。
成鳥;頭部から頸、体下面が白く、背や翼上面は青灰色で、尾は白い。嘴は黄色く、下嘴の先に赤色斑がある。初列風切の先は黒く、先端に小さな白斑があり、外側の1〜2枚にその内側の黒帯びに続く白斑が1〜2個ある。足はピンク色だが、特に黄色味を帯びたものもいる。翼下面は先端が黒く、その内側が灰色のためコントラストがはっきりして見える。
冬羽;頭部から頸にかけて灰褐色斑が密に入る。
夏羽;頭部が白色になる。
幼鳥・若鳥;幼鳥は全体に淡褐色で、羽縁は淡色。初列風切は黒褐色で、目立った羽先縁はない。嘴は黒い。加齢とともに、嘴は肉色味を帯びる。
2005/01/18   奈良  成鳥冬羽 2006/04/13  奈良  第3回冬羽
頭部から頸にかけて灰褐色斑が密 雨覆・三列風切・尾部に褐色部がある
2008/01/25  兵庫  第2回冬羽 2008/04/02  徳島  第1回冬羽
肩羽に灰色の羽毛が見られるようになる
2011/03/30  三重 2012/11/24  大洗-苫小牧航路


大型カモメ4種 成鳥の識別

背中の色 初列風切








オオセグロカモメ
64cm
濃灰色 黒色で白い斑 4種とも

ピンク色
4種とも

黄色く
赤い斑
セグロカモメ 61cm 灰色 黒色で白い斑
ワシカモメ 65cm 淡灰色 淡灰色で白い斑
シロカモメ 71cm 白に近い淡灰色 白色