オカヨシガモ(カモ目カモ科)丘葭鴨
Anas(アナス マガモ属-ラテン語でカモ)
strepera(ストゥレプラ 騒々しい strepo大きな音をたてる)

Gadwall(オカヨシガモ)     L50cm

ユーラシア及び北アメリカの亜寒帯で繁殖し、ヨーロッパ南部・北アフリカ・インド・中国東部・北アメリカ南部で越冬。
日本では、冬鳥として九州、四国、本州に渡来し、湖沼、池、河川、海岸などに生息する。北海道と本州の一部で少数が水辺の草地などに巣を作り繁殖する。
水面採餌(淡水)カモ類。
【声】♂は「クァッ」、♀は「ガーガー」と鳴く。

【名の由来】ヨシガモに比しオカ(内陸のこと)の湖沼を好むので“陸葦鴨(オカヨシガモ)”。
○他のカモ類と区別せず奈良時代から「カモ」「アシカモ」、鎌倉時代から「ミカモ」などと呼ばれたが、江戸時代中期から区別して「オカヨシガモ」と呼ばれている。異名;「ヲカヨシ」「クガヨシ」「マヨシガモ」「モガモ」

◇馬見丘陵公園では、冬鳥として渡来し、数は少ないがよく見ることができたが、近年その姿を観る機会は少なくなっている。
 (ガンカモ調査時の羽数 2004-16、2005-5、2006-2、2007-0、2008-2、2009−5、2011-13、2013-2、その他の年なし)

2013/03/03  馬見       左;♀ 右;♂生殖羽
♂成鳥;頭部から頸が褐色で、体は灰色味を帯びる。背は灰色で、肩羽は褐色。胸の灰色と黒褐色の鱗模様は、脇にかけて細かい縞模様となる。腰、上・下尾筒は黒色で、尾は灰褐色。嘴は黒色。翼は中雨覆が暗赤褐色で、大雨覆は黒く、次列風切中央は白い。その他はほぼ褐色。頸と胸の境に白帯の出ないものもいる。
♀成鳥;マガモの♀に似るが、嘴が橙黄色で、上嘴に黒色部がある。淡い黒褐色の過眼線がある。翼に♂のような中雨覆の暗赤褐色はない。(嘴は暗灰色で、基部が幾分ピンクがかるか、黄色がかる)
♀♂とも;足は橙黄色。(翼鏡は白い)
♂エクリプス;♀に似るが、中雨覆は暗赤褐色で、肩羽の模様は軸斑が暗色、褐色斑はない。嘴に黄色部がある。
2012/11/01  馬見  ♂(エクリプス→生殖羽に換羽中) 2011/03/04  兵庫  手前♂(中雨覆に暗赤褐色がある)
嘴は生殖羽では灰色がかった黒色であるが、
エクリプスでは雌に似て黄色部がある
向こうの♀には暗赤褐色がない
2006/02/08   奈良   若鳥  第1回夏羽への換羽 2011/03/08  奈良   若鳥♂  これから第1回夏羽に換羽
既に嘴も黒くなり換羽が始まっている 中雨覆に暗赤褐色色があるが嘴に黄色部がある
成鳥の生殖羽への換羽は12月中頃までには終わっているが若鳥は2〜3月になって換羽する(種によって換羽時期は異なる)
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