カルガモ(カモ目カモ科)軽鴨
Anas(アナス マガモ属-ラテン語でカモ)
zonorhyncha(ゾノリュンカ zono帯のある rynchos鼻口部-嘴)

Spot-billed(斑のある嘴) Duck(カモ類;ひょいと水に潜る)     L60.5cm

インド・東アジア・東南アジア・台湾に分布。
日本では、留鳥として全国に広く分布するが、北海道では大部分が夏鳥で冬季に南下する。湖沼、池、川、海岸などに生息し、夏に見られるカモは殆んどがカルガモである。水辺の草地などに巣を作り、ヒナは♀が育てる。繁殖期以外は群を作る。
水面採餌(淡水)カモ類。
【声】「グェッ、グェッ」と鳴く。

【名の由来】“カル”の名は万葉集に詠まれた「軽の池のうらみ行きみる鴨すらに玉藻のうへに独宿なくに」に由来する。
 (カモは主に冬鳥だが、この歌に詠まれた玉藻の育つ夏にもいるカモは留鳥のカルガモでなければならないとの由)
○他のカモ類と区別せず奈良時代から「カモ」「アシカモ」、鎌倉時代から「ミカモ」などと呼ばれてきたが、江戸時代から区別して「カルガモ」「ナツガモ」の名で呼ばれるようになる。異名;「クロガモ」「ソウガモ」「ドロガモ」

◇馬見丘陵公園では、周年見ることができる。2009春に初めて子連れのカルガモを観察する。
 (ガンカモ調査時の羽数 2004-29、2005-26、2006-66、2008-23、2009-34、2010-44、2011-38、2012-58、2013-27、2014-54)

2009/05/08  馬見  カルガモの親子(♀とヒナ)    5月3日に13羽の雛を連れて姿を見せる
ヒナは孵化すると草地の巣を離れ安全な水面に移動するが、カラス・野良猫など水面も決して安全ではない。
雌雄、成鳥、若鳥ともほぼ同色。
成鳥;額から後頸、過眼線、頬から眼の下に伸びる線は黒褐色で、眉斑と頬は淡色。胸は淡色で、淡褐色の斑がある。体はほぼ黒褐色で、淡色の羽縁があり、後部に行くほど黒っぽくなる。翼は黒褐色で、三列風切の白色の外弁が目立つ。翼鏡は青紫色で、大雨覆の羽先と次列風切後縁の2本の白線に挟まれている。嘴は黒色で、先端が黄色。足は赤橙色。
♀;♂に比べて淡色で、三列風切の外弁に褐色が混じるものが多い。上・下尾筒も♂が黒く、♀が黒褐色の傾向にある。
飛翔時;
翼下面の白い下雨覆と黒い風切のコントラストが目立つ。
若鳥;全体に淡色。
2010/04/21  馬見  左:♂ 右:♀ 2012/02/24 馬見
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