どのようにしてレジリエンスを育むのか。

レジリエンスは個人の属性であるが、それは、例えば脳の特定の場所の活動というように、1つの事象に原因を求めることができるものではない。様々な因子の影響で発現されていくものである。また、外部要因とも関連するし、流動的なものでもある。 心理学の研究により、レジリエンスの構成概念が様々に提唱されている。私たちにそれを比較、検討する力はないが、教育現場で実践的に心の力を育てる手がかりとして、「レジリエンスを支える」と思われるものを挙げて、それらにアプローチすることにより、レジリエンスを高めることができるのではないかと考えた。

研究によって提唱されている「構成概念」や「促進(保護)要因」、それから、私たちが子どもたちと接している中で考えられるもの、それらを挙げると多岐にわたった。そこで、「元気!」「しなやか」「へこたれない」という3つに整理してみた。これらの分類や包摂関係は学問的に検証されたものではない。実践的な教材作りのために、様々な概念を便宜上整理したものである。したがって、ある教材が「元気!」と「しなやか」の両方の要素を持つなどということはよくある。

レジリエンスを支えるもの
元気! しなやか へこたれない
  • 体の元気、基本的な生活習慣
  • 感情の調整、セルフ・モニタリング
  • 自尊感情 自己効力感
  • 忍耐力 欲求不満耐性
  • 豊富な直接体験
  • 明朗 笑い
  • 楽観性 プラス思考
  • コミュニケーション能力 アサーション
  • 自律性 自省性
  • つながる力 人と相談する力 助けを求める力
  • コーピングスキル(ストレスへの対処技術)ストレスマネジメント
  • 立ち直れる自信と見通し
  • 夢や目標
  • 生きる意志

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