1.著作権の基本

 

1−1.著作権とは何でしょうか

 人間には動物と違って、物を創り出す能力が与えられています。頭の中で色々とアイデアを搾り出し、絵に書いたり、文章にしたり、今までなかったものを生み出していくことができます。そのようにして創り出された物のうち、「思想または感情を創作物に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの」(著作権法2条1項1号)が著作物であるとされています。

 

 著作者人格権

 当然創り出した人は、それをたくさんの人に向けて発表し、作品を見て、聴いて、楽しんでもらいたいと思うでしょう。また逆にそれがプライベートな日記のようなものであったり、失敗作だったりしたら、他の人には公表したくないと考えるでしょう。

そのように、公表するか、しないかを決定する権利【公表権】を始め、『私の』作品として名前(ペンネームなども含む)を表示する権利【氏名表示権】、勝手に作品の内容を改変されない権利【同一性保持権】を著作者は持っています。このような創作者のみに与えられる基本的な権利は創作者以外の人に譲り渡されることはありません。これらの権利はまとめて著作者人格権と呼ばれています。

 

著作財産権

さらに創り出した人は、その作品をどのような形で公表するのか、公表する範囲に制限を加えるのか、その作品を元にした翻訳やパロディーを許可するかどうかなどを決定する権利も持っています。そのような作品の利用に関わる権利には当然、それに対する報酬を受ける権利を伴っています。これらの権利を指して著作財産権といいます。単に著作権と呼ぶときはこの財産権を指していることが一般的です。

著作財産権は創り出した人が個人で行使する(出版・頒布)には限界がありますので、専門家に任せる場合が少なくありません。その際、どこまでの範囲の権利を相手に許諾したのかがあいまいであるとトラブルになります。お金が絡んでいる分きっちりと決めておく必要があります。

 

著作隣接権

 歌手や俳優などの実演家は、創作するわけではありませんが、著作物を公衆に伝達する上で大きな役割を果たすため、権利が認められています。無断で、コンサートや演劇を録画して頒布することは、この権利の侵害となります。


著作権の表示について

以上の著作権は、著作物が創作された時点で発生します。特許や商標のように登録する必要はありません(無方式主義)。著作権の表示として「©Hideyuki Akamata 2003」という表示がなされているのをよく目にしますが、これを付けておかないと著作権が主張できないということではありません。逆に、何も表示されていないから自由に利用しても良いということではありませんので注意が必要です。