“世界のクロサワ”こと黒澤明(1910年3月23日 - 1998年9月6日、88歳)が監督した作品は全部で31作品。脚本などで携わった作品も含め、リメイクに関するのは以下の作品です。 |
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【黒澤明受賞暦】
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原題:--- |
原題:生きる |
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市役所の市民課長・渡辺は、入所以来無欠勤の模範的な公務員だが、これと言って何もしないまま30年を勤め上げようとしていた。そんなある日、渡辺は自分が胃ガンで余命幾ばくもないことを知る。自分の人生の意味を考え、渡辺は小さな公園の建設に情熱を注ぎ、奔走するようになる…。 死に直面した男の生き様を通して、人間の真の生きがいとは何かを世に問うたヒューマン・ドラマ。1953年度ベルリン映画祭銀熊賞受賞。 | |||
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原題:隠し砦の三悪人 |
原題:隠し砦の三悪人 |
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世は戦国時代、隣国の山名家に敗れた秋月家の大将・真壁は、世継ぎの雪姫と共に隠し砦にこもっていた。彼は、お家再興のため、姫を連れて同盟国の早川領へと脱出することを考えていた。砦の近くには、軍資金となる黄金200貫も隠してあった。それを手にして、なんとか早川領へと考えていた真壁は、砦近くの沢で二人の農民に出会う。これを好機とばかりに、真壁は彼らを利用して、敵陣突破を図るのだった…。 | |||
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原題:椿三十郎 |
原題:椿三十郎 |
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凄腕の浪人が、腐った藩政に立ち向かう若侍たちに助太刀する痛快アクション時代劇。 | |||
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原題:スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ |
原題:用心棒 |
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小さな宿場町に、流れ者の凄腕の浪人がふらりとやって来た。そこではやくざの二大勢力が、お互いの縄張りを巡って争いを繰り返しており、そのために町はすっかり荒廃しきっていた。度胸もあり、頭もキレるその浪人は、用心棒として雇われながら、双方のやくざをうまく操り、共倒れにさせようと画策する…。 ダシール・ハメットの小説「血の収穫」を翻案として映画化。 黒澤映画の大ファンというセルジオ・レオーネ監督が、世界的巨匠・黒澤明の名作「用心棒」を西部劇として無断リメイクしたアクション映画が「荒野の用心棒」(決着済み)。 マカロニ・ウエスタン・ブームを生み、B級スターだったクリント・イーストウッドを一躍世界的スターにした作品。また「続・荒野…」は続編では無いが、商業的意図を持って“続”とされた。 '07年作品は、棺桶からガトリング銃や、「続・荒野の用心棒」のテーマ曲を日本語で北島三郎が歌う等、「続・荒野…」のアイテムが登場する。黒澤作品の―と言うより、マカロニウエスタンのリメイクと言える作品。 | |||
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邦題:柔道龍虎房 |
原題:姿三四郎 |
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修道館に入門したばかりの主人公が、猛者たちとの戦いを通して、柔道家として技能的にも精神的にも成長していく姿を描いた作品。富田常雄の同名大衆小説を映画化。 戦時下に撮影され、大ヒットを記録した黒澤明監督の記念すべき初監督作品。 ジョニー・トーの「柔道龍虎房」はリメイクではなくオマージュ作品。 ※富田自身の原作で派生作品「面影三四郎('49)」「銀座三四郎('50)」がある。 | |||
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原題:雨あがる |
原題:道場破り |
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剣術の腕は確かだが人を押しのけてまで出世することが出来ない心優しい武士と、そんな夫を理解し支える妻の心暖まる絆を描いた時代劇。「道場破り」では、恋仲である家老の娘・妙を連れて脱藩する設定に・・・。山本周五郎の小説「雨あがる」を映画化。 '00年作品は、黒澤明の遺稿脚本を黒澤組が映画化。 | |||
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原題:どら平太 |
原題:町奉行日記 鉄火牡丹 |
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着任から解任まで一度も奉行所に出仕せずに、奇抜な方法で藩の汚職政治を摘発してゆく町奉行の活躍ぶりを描いた痛快作。山本周五郎の小説「町奉行日記」を映画化。 | |||
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邦題:--- |
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誠実で純粋なムイシュキン公爵は、彼の理想と現実の間の矛盾に激しく葛藤し、ついに恋人の死を招いてしまった彼は発狂してしまう。 精神疾患を持つ公爵が、理想と現実の狭間で苦しむ様を描く、ロシア文豪フョードル・M・ドストエフスキーの小説を映画化。 '51年作品では、痛ましい戦争体験のショックを受け、主人公の青年は精神を病む。 '94年作品は、玉三郎が一人二役を演じて話題になった舞台作品の映画化。 | |||
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邦題:--- |
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中世のイギリス。年老いたリアは隠居生活に入るために、3人の娘たちに領地を分け与えることにした。だが末娘のコーディリアは分与された領地を受け取ろうとせず、結婚もしないまま生涯を父親に捧げると誓う。その発言に怒ったリアは、コーディリアを勘当。だが2人の姉娘は、リアが引退すると、ただちにリアを城から追放してしまう。父の苦境を知ったコーディリアは、フランスから軍隊を率いて父を救いに来るが、イギリス軍の前に惨敗し、無残な最期を遂げてしまう。それを見たリアは…。 ウィリアム・シェイクスピアの戯曲を映画化。 黒澤の「乱」は毛利元就の“三本の矢”を取り入れ、戦国時代の武将の親子・兄弟の愛憎を描く日仏合作映画。 | |||
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原題:MISTY |
原題:羅生門 |
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平安時代。都に向かう旅の途中にあった侍とその夫人が、盗賊に襲われる。盗賊は夫人を犯し、侍を殺害。やがて事件は、都の検非違使によって調査されることになるが、盗賊と夫人の言い分は真っ向から対立。検非違使は霊媒師によって侍の霊を呼び出して証言を求めたが、その言葉もまた、二人の言い分とは違っていた。事件の真相は"藪の中" に消えてしまうように思われたのだが…。
芥川龍之介の小説「藪の中」を映画化。
'50年作品は芥川龍之介の小説「羅生門」の設定を借りている。
'64年作品は、時代設定をアメリカの南北戦争後の西部に置き換えられている。'91年作品は、ピッツバーグの製鉄所跡地を舞台に、日米経済摩擦の問題を浮かび上がらせた社会派ミステリー。'96・'97年作品は、新解釈でリメイクしたミステリアスで官能的な時代劇。 | |||
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原題:野良犬 |
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戦後間もない日本を舞台に、銃を奪われた新米刑事が犯人を追い詰めていく様子、銃を奪って逃走する犯人が刑事に追い詰められていく様子を描いた、巨匠黒澤明監督が実話を基に贈るハードボイルド・アクション。 刑事と犯人という立場の違う復員兵を戦後社会に放ち、捜査過程で真っ向から対決させる構成。 ※類似作品「冷たい血('97)」。 | |||
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邦題:路上の霊魂 |
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人間であることを諦めたかのような木賃宿の住人たち。どん底にあえぐ泥棒と、賭けで無一文となり自殺を図ろうとした男爵がひょんなことから出会い親しくなる。どん底から這い上がろうとする泥棒と男爵を対比的に描いた傑作。 社会の底辺で生活する貧困層を描いた、マクシム・ゴーリキーの戯曲「夜の宿(どん底)」を映画化。 '46年作品は、アントン・チェーホフの戯曲「Vishnyovyy sad」とアレクセイ・トルストイの戯曲「Tsar Fyodor Ioannovich」をも原作とする。 '21年作品は、ウイルヘルム・シュミット=ボン「街の子」をも基にしている。 | |||
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原題:天国と地獄 |
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原題:幸福 |
邦題:第87警察 |
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豪邸に住む製靴会社の社長・権藤の子供と間違えられ、彼のお抱え運転手の子供が誘拐された。犯人は三千万円という法外な身代金を要求してきた。権藤が他の重役たちと経営方針で対立し、全財産を抵当に入れて自社株を買い占めようとしていた矢先のことだった…。
黒澤作品「天国と地獄('63)」は誘拐犯と警察の攻防を描く、エド・マクベイン(エヴァン・ハンター)の小説「キングの身代金」を映画化。 | |||
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原題:七人の侍 |
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時は戦国時代。山間の農村に住む農民達は不作に喘いでいた。その上、付近の野武士達が野盗化し、収穫の時期になるとわずかな食料を狙って襲ってくるのだった。ついに追いつめられた村人達は、侍を雇って戦うことを決意する。貧しい彼らが与えられる報酬は“飯を腹一杯”。庄屋を襲った盗人を退治した腕自慢の勘兵衛は、村人達に懇願され侍探しを始める。そして勘兵衛を含めて七人の侍が揃った。勘兵衛たちは村に柵を巡らせ、農民達に訓練を施して野盗たちの襲撃を待ち構える…。 '54年作品はヴェネチア映画祭銀獅子賞受賞し、後に世界中の映画人に大きな影響を及ぼした黒澤明の代表作の一つ。 | |||
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スコットランドの武将マクベスは、荒野で出会った三人の魔女の奇怪な予言と、激しい夫人につき動かされ、かねてからの野心を実行に移していく。王ダンカンを自分の城で暗殺し、王位を奪ったが、その地位を失うことへの不安から次々と罪を重ねていく…。
シェイクスピアの四大悲劇の一つを映画化。 | |||
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原題:春婦伝 |
原題:暁の脱走 |
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昭和20年頃・中国中部戦線。三上上等兵は慰問団の歌手・晴美と恋に落ちるが、横恋慕する成田中尉によって、中国軍に投降した濡れ衣をかけられ、軍法会議にかけられることになった。実直な三上は、忠誠を誓った軍に失望し、裏切られた気がした。そして遂に晴美と一緒に脱走を決意した…。 田村泰次郎の小説「春婦伝」を映画化した反戦映画の傑作。 '50年作品は黒澤明が脚色を担当。 | |||
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原題:ジャコ萬と鉄 |
原題:ジャコ万と鉄 |
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終戦から間もない北海道のカムイ岬。そこにある小さな漁村は、折からのニシン漁で大いに賑わっていた。だがここに樺太帰りの無法者・隻眼のジャコ萬がやってくる。わがまま勝手をしつくすジャコ萬に、人々は困惑し、不満をつのらせる。そんな中、気が短くて向こう見ずな色男として知られる網元の息子・鉄が帰ってきて、ジャコ萬と対決することになるのだが…。 終戦直後の北海道カムイ岬を舞台にした、梶野悳正の小説「鰊漁場」を映画化。黒澤明脚本の本格アクション。 | |||
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原題:殺陣師段平 |
原題:殺陣師段平 |
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段平は無学の悲しさからリアリズムの精神を掴めぬままに師匠と決別し、妻お春の死に目にも会えぬ窮地の中で殺陣の工夫に没頭していく…。 大正時代、新国劇を創立した沢田正二郎のもとで、新しい殺陣を創り出そうと、芸の道に身を捧げる殺陣師・段平の苦闘を描く。 長谷川幸延の同名戯曲を黒澤明が脚色して映画化。 | |||
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原題:戦国群盗伝 |
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失われた自由を求めるあまり盗賊隊長となって社会に抵抗する主人公カールの悲劇。フリードリヒ・フォン・シラーの処女作「群盗」を映画化。 「戦国…」では舞台を日本の戦国時代に置き換え、シラーの「群盗」をモチーフに三好十郎が原作した作品。 '37年作品は「前篇・虎狼」「後篇・暁の前進」の二編から成る。 '59年作品は、黒澤明が脚色に加わる。 | |||
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原題:天下の伊賀越 暁の血戦 |
原題:荒木又右衛門法書試合 |
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仇討ちの助太刀で三十六人(誇張された数)を斬ったとされる“鍵屋の辻の決闘”で知られる剣豪・荒木又右衛門を主人公とした時代劇作品群。 | |||
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原題:虎の尾を踏む男達 |
原題:安宅勧進帳 |
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兄・頼朝と不和になり、山伏姿に身をやつして奥州へ落ちる源義経が、加賀国安宅の関にさしかかる時、関守の富樫左衛門に見とがめられる。弁慶は機転で偽りの勧進帳を読み、さらにを主君を打擲する。弁慶の苦衷を察した富樫は一行を通す…。 三世並木五瓶の作、1840年初演の歌舞伎屈指の人気演目「勧進帳」を映画化。 '43年作品は歌舞伎の記録映画。 '52年作品は、歌舞伎の「勧進帳」を基に、黒澤明監督がミュージカル仕立てに映画化した異色作。 | |||
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原題:素晴らしき日曜日 |
邦題:素晴らしい哉人生 / 恋の馬鈴薯 |
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当時のお金でわずか35円を握りしめ、デートをする恋人たちのある日曜日。その1日を追う物語。 クライマックスでヒロインが観客に語りかけるというシーンがあり、観客が映画に参加するという日本映画初の実験性に富んだ作品。 '24年作品は、疲弊した戦後のドイツを舞台に貧しくも愛を育む男女を描いたジョッフレイ・モッスの小説を映画化。 黒澤はこの無声映画の秀作「素晴らしい哉人生」からヒントを得て「素晴らしき日曜日」を製作したと言う。 | |||
注釈:[邦題(英題)]製作年 製作国/監督/出演 1895年12月28日 映画誕生の日 TOP |