Broken Myself















6年後・・・・
『ええっ!来月!?』
『ああ・・・1年たったからな』
『ふーん・・・そっかぁ・・・』
・・・その友達の顔、なんかさみしそうに見えた。
オレだって、同じ気持ちだから、別れがつらいのは、よくわかる。
でも、しかたねーよな・・・1年っていう期限だったんだから。
『まぁな、オレも、ほんと楽しかったって思えるよ、ありがとな。
あ、礼言うのは、まだ早えーか』
『そうだよ〜、まだ1ヶ月あるんだから!』
『悪い悪い!あ、じゃあ、今日はオレ、もう帰るよ』
『うん、また、明日な』
ダッ
軽いかけ足で、オレは学校を出た。
「来月・・・か、やっと・・・」
やっと帰れる・・・日本に・・・。
2005年・・・大学3年生になったオレは、今、アメリカにいる。
去年から、1年間、海外に留学してたってわけ。
・・・あの日のあれっきり、奏美には会ってないし、テレビの中でも、
あいつを目にすることはなくなった。
あのとき、柊平になぐられて、けっこう長い間、対立があったりしたけど、
オレたち3人の関係も、今は、元に戻ってる。
いや・・・変わったんだ!
そのときまでのオレたちを知ってた人から見れば、それは“小さなけんかの
仲直りをした3人”ってなだけだと思う。
今までと変わらない、いつも通りの変わらない風景。
でも、オレたち3人には、はっきりわかる。
確実に、なにかが変わったってことが・・・。
柊平と愛羅には、ほんと感謝しねーとな。
あいつらがいなかったら、オレ、取り返しのつかねーことしてた。
たぶん・・・あのときより、もっともっとひどくなってただろうな。
2人のおかげで、オレは、多少もとの自分に、戻ることができたような気がする。
あれから、何年かたってから、柊平に聞いたっけ・・・。
柊平、こう言ってたなぁ・・・。
“あんとき、オレが拳一支えなきゃ、おまえもっと悪くなってただろ?”って・・・。
あの瞬間、柊平に、迷惑かけてばっかだったんだなって、オレ気づいた。
そういえば、まだちゃんと謝ってないし、礼も言ってなかったような・・・。
帰国したら、ちゃんと言うつもりなんだ。今までのこと、すべて。
・・・6年間、オレは、迷惑かけてばかりだった・・・。
だから、留学する前、面と向かって言われたんだ。
“1年間オレたちのいない生活が、どんなものなのか見直してこい”ってさ。
そして、この1年間、オレは、海外でひとりだった・・・。
ちゃんと見直し、考えることができたかどうかはわかんねぇ。
だけど、今度は、昔ほど・・・1年前までほど、2人に迷惑はかけないつもり。
いや・・・絶対、かけねぇ!
これからは、反対に迷惑をかけてもらわなきゃな。
それが、今の、オレの目標。
「・・・・・・・・・」
奏美には・・・あいつには、もう2度と関わらねぇ。・・・2度と・・・。
あいつの夢を壊し、裏切ったオレには、関わる資格なんかねーから・・・。
そのぶん、あいつもオレに関わる資格はねーしな。
今さら、“新しい夢を見つけろ”なんて、言える立場じゃねーけど・・・
オレは、現在、あいつの幸せと、新しいスタートを願ってる。
これもまた、ひとつのわがままのな行為・・・・だよな・・・。

奏美のやつ・・・今頃、どうしてんだろ・・・。
ふっと思った。
オレが知ってるのは、引っ越す前、7年前の奏美だから・・・。
今は・・・たぶん・・・。
昔の奏美から、今の奏美の姿を、オレは想像してみた。
「!?」
・・・とっ
街を歩いていたオレの足がはたと止まった。
向こうから歩いてくる女の人・・・
「・・・似てる・・・」
・・・そっくりだ、オレが考えていた今の奏美に・・・。
でもまさか・・・はは、まさかな・・・。
苦笑いしながら、そんなことを思っていると・・・
えっ!?
そいつの持っているバッグのキーホルダー、名前が・・・。
ってことは・・・こいつは・・・。
「?」
相手は、オレに気づいたようだった・・・そして、オレと同時に口に出した。
「あ・・・・」

(Broken Myself あとがき)
こんにちはぁ、このストーリーを書いた(ぱずりんぐわーど)です。
「Broken Myself」読んでいただき、どうもありがとうございました。
この作品は、私が2年前に書いた物で、かなり年月がたつわけでございます。
このストーリーは、私が中2のときに考え、書きました。
原作のノートを見ながら、PCに打つとき、手直しを多少したんですが・・・
やっぱ、進歩してませんね・・・それほど、変わってないです。
自分にと、その友達にしかわからない書き方をしてたので、初めての人が
読むために、どうやって、わかりやすくしたらいいのか、かなり悩みました。
みなさん、ご理解いただけたでしょうか?

「Broken Myself」は、友情の破滅(?)物語です。
実際、こんなことが、現実にあるんでしょうか?
あいだに人をはさんでの対立はなかったけど、実際、友達関係の破壊なら
私もある・・・大変なんですね、また、これが。
友達関係ってのは、難しいもの、だけど、失うものもあって、
得るものも多くて・・・。
それは、人によって、きっと違うんでしょうね。
このストーリーの主人公・拳一が得たものは、いったいなんでしょう?
そして、親友の柊平が得たものは?同じように状況を知っている愛羅が得たものは?
それは、みなさんの想像に任せます。
私が、思うに・・・それは、言葉では表せないことだと思うのです。
でも、自分では、ちゃんとわかってる・・・そーゆーことではないかなぁ?
ほんとに、友達から得ることは多い。それは、私も、よく実感します。
まぁ、みなさんも、友達は大切にして下さい。それは、誰にでも
言えることだと思いますので。

1つ、私自身気になっているのは・・・このストーリーの中で、1番悪いのは、
誰だと思いますか?
最初に、拳一に黙って、転校してタレントになった奏美?
“自分を信じてなかった”と思いこんで、恨み続けた拳一?
わかっていたつもりなのに、奏美の味方側について、拳一を支えきれなかった柊平?
いとことして、そして、友達として、最後まで悩み続けた愛羅?
といっても、ちゃんとした設定知らないと、やっぱりわかりにくいですよね?
すいません・・・。
でも、誰が悪かったのか、誰が正しかったのか、そして、どうすれば、こんなことに
ならずに済んだのか・・・それは、書き上げて、2年たった今でも、私の
中に疑問として残っています
みなさんは、どう思いますか?よかったら、意見を聞かせてください。

実は、「Broken Myself」の登場キャラクターのストーリー、
これで終わりではないんですよ。
同じキャラクターを使って、年代をずらし、まだまだつくっています。
私のキャラクターは、全部どこかでつながってるんですねー。
拳一も、そのつながっているうちの、ひとりのキャラクターです。
もちろん、柊平も愛羅も、そして、奏美もです。
愛羅が主人公のストーリーを、次、載せることができたらいいなと思います。
よかったら、そちらも読んでください。
結局は、同じようなこと書いてるんですけどね。
舞台は、8月です。そう、この「Broken Myself」の2ヶ月前!
夏休み、真っ最中ですね。はてさて、この10月の以前に、何があったのか?
それが、みどころ(?)かな・・・?よく、わかりません。

さて、今回、この読み物を連載するにあたって、管理人の汨羅さんに
たくさんのご迷惑をおかけしました。
これからも、できる限り、精一杯やらせていただきますので、
どうぞよろしく、お願いします。
それでは、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

(2001年12月1日 ぱずりんぐわーど)




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