ブラック・ウエルシュ・マウンテン
クラス 肉・毛両用 山岳・丘陵種
分布オリジナルは英国のウェール地方。 現在は英国全土・ヨーロッパ・北米等。
太さ46’S〜56’S
長さ8〜10センチメートル
産毛量1.3〜1.8キログラム
全身真っ黒な羊。 他の色が全く混ざっていないのはイギリスでもこのブラック・ウエルシュ・マウンテンだけ。(突然変異的に白い羊の中に黒い羊が生まれることもある。 )この種が確立したのはかなり遅く二十世紀に入った1922年。 一つの形態として成り立ったっていたのは、其れよりも100年も前になる。 このブラック・ウエルシュ・マウンテンのオリジナルであるウエルシュ・マウンテンは明らかに新石器時代からウェールズ地方に生息し、小さな角と毛の色は白を中心に黒からブラウン、グレーまで持っていた。16世紀ごろこのカラフルな毛に関心を待ったシトー修道会は、己らの服を作るのに黒い羊(彼らはコックデューと呼んだ)の増殖を奨励し高価な値段で黒い布を取引した。当時白以外の羊は農家の糸紡ぎをする女性の臨時収入となったため、黒い羊が生まれると一つの囲いに囲い込み、大事に育てられたといいます。このような選抜育種が約100年にわたって続いたため、ウエルシュ・マウンテンにおいて劣勢だった黒色の遺伝子はブラック・ウエルシュ・マウンテンでは優勢遺伝子となっていった。
チェビオット
クラス 肉・毛両用 山岳・丘陵種
分布 スコットランド南部、ウェールズ、カナダ、アメリカ、スカンディナビア、南アフリカ、 ニュージーランド、オーストラリア、ロシア
太さ48’S〜54’S
長さ 8〜12センチメートル
産毛量 2〜2.5キログラム
イングランドとスコットランドの境界線にあるチェビオット丘陵になるとこの羊が目に付き始める。スコットランドでは大変一般的な羊の一種です。角はないが、「ノーマン・ノーズ」といわれる鼻梁が高く、勇敢なローマ兵士の鼻を髣髴させる鼻を持っています。18世紀から19世紀にかけて大繁栄し、スコットロンド随一の羊となりましたが20世紀になってからの大寒波、大飢饉により減少し生息域もスコットランドの南北に分かれた。北部がノース・カントリー・チェビオット、南部がチェビオットと種自体まで変わってしまった。はっきりとした起源は分かっておらず、ただ12世紀〜13世紀までスコットランド一帯は有角の羊が占めていた。当時、スコットランドはイングランドから大勢のシトー派の修道士が入ってきた時代でした。彼らとともに入ってきた細い毛を持った羊と前記の在来種を掛け合わせて生まれたのがこのチェビオットのオリジナルだといわれている。このチェビオット(当時ロング・ホワイトフェイスとよばれた。1791年チェビオット丘陵からこの羊をハイランドのケイスネスへ連れて帰ったサー・ジョン・シンクレイアによってチェビオットと名付けられた。)は18世紀の終わりごろまで時には灰褐色の顔をしていて、雄には角があったりしたといいます。
デーヴォン・アンド・コンウォール・ロングウール
クラス 光沢・長毛種
分布 イングランドのデーヴォンシャー、コンウォール、サマーセット
太さ 32’S〜40’S
長さ 20〜25センチメートル
産毛量 8〜9キログラム
イギリスでは羊全品種のほぼ一割に当たる十一種が光沢・長毛種です。その中でもデーヴォン・アンド・コンウォール・ロングウールの毛はかなりのボリュームある、ゆったりとしたウェーブのカールをしています。長毛種はステープル(毛の一房)が長い分だけ産毛量が多くなるのですがそれにしてもこの種は並外れて多い。メスの平均体重は100キログラムもあり、体格が大変立派だということも理由の一つです。 種として確立し、その協会が設立されたのは1977年。当時イングランド南西部の地区にいたサウスデーヴォンとデーヴォン・ロングウールの交雑によって生まれた。 この羊には他の種との類似点がいくつか有り、顔のあたりはレスターやリンカーンのようで、また毛を刈り取ると何処となくダウン種の面影がある。それはサウスデーヴォンのオリジナル、サウザンノット(サウスハム・ノット)はレスターと掛け合わせられ、ウエスタンダウンの流れを汲むといわれるデーヴォン・ロングウールのオリジナル、バンプトン・ノット(ケンニッシュ)は中毛種だったのを長毛種にするためにレスターリンカーンと掛け合わされたからです。毛は繊維がかなり太く主にラグやカーペットに使われる。しかし、子羊の毛は細くて暖かく弾力に富み、テキスタイル・ファイバーとして価値が高い。其れ故生後6ヶ月頃に毛刈りされ「ラムウール」として市場に供給されている。
ドーセット・ホーン
クラス 短毛種 ダウン種
分布 イギリスのサウスドーセット、サマーセット、ワイト島、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、 カナダ、南アフリカ
太さ 54’S〜58’S
長さ 8〜10センチメートル
産毛量 2.25〜3キログラム
この羊の起源ははっきりとはせず、一説にはウエルシュ・マウンテンと血縁の深いポートランドとスパニッシュ・メリノーとの掛け合わせで生まれた新しい種がドーセット・ホーンだとされている。オリジナルのドーセット・ホーン・シープは小柄で足は長く、口と鼻が黒くて顔は白くメリノーの血を引く立派な角を持っています。18世紀になるといたるところで品種改良され、体格を大きくするために「ピンクの鼻」といわれていたサマーセット・ホーンと掛け合わされた。ドーセット・ホーンの鼻や口がピンクになったのはこの所為。また、秋にも出産し、二年に三回のペースで出産。其の度双子が多く生まれます。このような季節外れの繁殖は交配シーズンの期間の長さの所為です。
エックスムーア・ホーン
クラス 肉・毛両用 山岳・丘陵種 中毛種
分布 イギリスのデーヴォン州北部、サマーセット州西部の丘陵
太さ 48’S〜56’S
長さ 8〜12センチメートル
産毛量 5キログラム(雄) 3キログラム(雌)
この種はイングランド南西部のエックスムーアとブレンドン・ヒルに生息しています。起源は古く古代人より前だとされている。しかしその毛は粗く14世紀のエドワード四世の時代、18世紀の文献が残ってることから長い間その改善がされずにきたようだ。19世紀に獣医のリードが「エックスムーア・シープはもっと良いえさを与えれば、もっと大きくなり、もっと良いフリースを得ることができる。特にレスターの雄と掛け合わせた子羊は、体重が重くなり、肉の香りが損なわれず、フリースの質も改善される。」と述べていた。現在その言葉通り、交配用として人気のある種となっている。
ハンプシャー・ダウン
クラス 肉・毛両用 ダウン種 短毛種
分布 ヨーロッパ(特にイギリス)、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、 アフリカ、ロシア大陸
太さ 56’S〜60’S
長さ 5〜10センチメートル
産毛量 2.5〜4.5キログラム(雌) 6.7キログラム(雄)
その名の通りイギリス海峡に面したハンプシャー州が原産。歴史は比較的新しく、1835年頃から姿を見せ始め、1957年に一つの種として認められた。前身はオールド・ハンプシャーと云われこの地方に昔からいたオールド・ウイルトシャーとバークシャー・ノットの掛け合わせです。そのオールド・ハンプシャーを母系、サウスダウンを父系にして生まれたのがハンプシャー・ダウンである。穀類・根菜類・牧草…どのような飼料でも育てることができ、あらゆる気候に順応できることから今ではイギリスより、海外で一般的になっています。しかし元となったオールド・ウイルトシャー、バークシャー・ノット、オールド・ハンプシャーは19世紀前後に絶滅し、父系のサウスダウンもR・B・S・T(稀少家畜保護トラスト)の管理下にある。肉類として最高といわれてきたこの種も、1980年にはフリースにおいても最高の「ゴールデン・フリース」賞を受賞した。
ハードウィック
クラス 肉・毛両用 山岳・丘陵種
分布 イギリスの湖水地方
太さ 32’S〜40’S
長さ 15〜20センチメートル
産毛量 1.5〜2キログラム 多いもので4〜5キログラム
ジェイコブ
クラス 肉・毛両用(ミディアム)
分布 イギリス各地
太さ 44’S〜56’S
長さ 8〜15センチメートル
産毛量 2〜3キログラム
ロンク
クラス 肉・毛両用 山岳・丘陵種
分布 イギリスペナン丘陵の中央から南部
太さ 44’S〜56’S
長さ 10〜15センチメートル
産毛量 2.2〜3.5キログラム(雌) 6〜7キログラム(雄)
ロムニー
クラス 無角・白顔種 長毛・光沢種
分布 イングランド・ケント州、サセックス州、ニュージーランド、アメリカ、南アメリカ、アフリカ
太さ 48’S〜54’S
長さ 10〜20センチメートル
産毛量 3〜4.5キログラム
スコティシュ・ブラックフェイス
クラス 肉・毛両用 山岳・丘陵種
分布 イギリスのハイランド、スコットランド、北部の島々、イングランド北部、アイルランド
太さ 28’S〜40’S
長さ 15〜30センチメートル
産毛量 1.7〜3キログラム
サフォーク
クラス 肉・毛両用 短毛種・ダウン種
分布 日本を含む全大陸(特にイギリス)イギリス
太さ 54’S〜58’S
長さ 8〜10センチメートル
産毛量 2.5〜3キログラム
スウェルデール
クラス 肉・毛両用 山岳・丘陵種
分布 イングランド中部〜北部(主にべナイン丘陵)
太さ 28’S〜41’S
長さ 10〜20センチメートル
産毛量 1〜1.5キログラム
ウエルシュ・マウンテン
クラス 山岳・丘陵種
分布 ウェールズ地方
太さ 36’S〜50’S
長さ 5〜15センチメートル
産毛量 1.25〜2キログラム