木質構造の学習 - No.11 真壁で面材耐力壁を使う時の注意点

4. 釘の本数とその間隔についての問題点

2004年4月

一般に面材耐力壁は、面材に打たれる釘の本数がその耐力に大きく関係しており、打たれる釘の本数が少なければ耐力が低くなってしまう。

N値計算や許容応力度計算等から算出された金物が25kNとなる場合、両面真壁で面材耐力壁を設置しようとした場合に、ホールダウン金物25kN用を優先させたときは、その部分の面材受け材は柱の上下≒600mmは釘が打てなくなる。(下図)




告示第1460号では、「厚さ3.2mmの鋼板添え板を用い、柱に対して径12mmのボルト**本、横架材もしくは上下階の連続した柱に対して径16mmのボルトを介して緊結したもの」とあり、具体的にはホールダウン金物を「柱に対して」止め付けると記されているため、受け材を介した設置方法に関しては触れられていない。

このため、役所や民間の確認機関等の検査時に「受け材を介したものは認められない」と判断され、「この場合、どうやって収めたらいいのか?」と聞かれる場合が往往にしてある。

もし、図のような真壁で面材耐力壁を設置しようとしたときに、ホールダウン金物の25kN用が取り付く場合、その面材受け材は柱の上下≒600mmは釘が打てなくなるということである。


 ©Tahara Architect & Associates, 2004