真壁耐力壁の面材が両面に設置される場合、両面から面材に打たれる釘のせん断耐力を上回る接合性能が必要となる。
しかし、いい加減な釘・設置間隔で、その設置本数が少なくなる為、受け材の柱に対するせん断耐力が不足し、耐力壁としての性能を確保できない可能性がある。
両面真壁の耐力壁とした場合、面材を設置するための受け材が四周に必要となるが、その受け材を設置する際に、ホールダウン金物と受け材のどちらを優先させるかが問題となってくる。
告示第1460号では、「厚さ3.2mmの鋼板添え板を用い、柱に対して径12mmのボルト5本、横架材(土台を除く。)布基礎若しくは上下階の連続する柱に対して当該鋼板添え板に止め付けた径16mmのボルトを介して緊結したもの又はこれと同等以上の接合方法としたもの」(ホールダウン金物25kN用の場合)と記されているため、受け材を介した設置方法に関しては触れられていない。
そのため、役所や民間の検査機関等においても、「告示の解釈では、受け材を介したホールダウン金物の設置を認める様に明記されていない」と中間検査等で指導しているところも有り、そのように指摘を受けた設計者や施工者は、指摘事項を訂正すること以外は頭にないため、次の(3)や(4)の問題点が起こりやすくなっている。