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No.7 実際の挙動に対応した接合金物とは

2003年9月


2.金物が必要なわけ


まず、金物が必要な理由を説明しよう。

ホゾ差しなどの接合部を見てもらえればわかるが、一般的な木の接合部は引張に弱い。そのため、引張力が生じる場合は金物などで補強しなければならない。

引張に抵抗できる木の接合部は形状がややこしいか、耐力が低い。現在多く使われているのは柱では込み栓、梁では腰掛け鎌継ぎ程度が主であるが、引張耐力がそれ程大きくないので金物が必要とされる場合が多い。


木造軸組工法の建物は、地震力・風圧力に対しては耐力壁で抵抗する。このときに、力の釣り合いにより柱に引き抜き力が生じる。


また、床全体が変形しようとすると、外周部に引張力が生じる。

その他にも、力がある部分から別の部分に伝わるときに、引き抜き力が生じる箇所がある。

つまり、引張力を処理できる金物がないと、構造上有効な床や壁が成り立たず、建物が成立しないのである。

このように、建物に生じる力は純粋に物理的な力のつりあいに支配されているので、引張力を伝達するために必要な金物は減らすことはできないのである。



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 ©Tahara Architect & Associates, 2003