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No.7 実際の挙動に対応した接合金物とは

2003年9月


1.はじめに


建築基準法が改正されて、接合金物が仕様規定されたため、改正前に比べると格段に金物を使用することが多くなった。

そうなると、「どうすれば接合金物を減らせるのか?」と考える設計者・施工者は悩むことがあるが、構造設計者としては、

「なぜ、金物が多すぎると言うのか。どうして金物を減らそうとするのか。」と、いいたい。

「人命の確保には金物が有ってもいいじゃないか?」と思う設計者・施工者がどれだけいるだろうか。

下の図に、同じ建物で設計法をかえて柱頭・柱脚金物の配置を計算してみた例をあげる。

但し、設計法による違いをわかりやすくするために、現実にはあまりあり得ない壁配置や建物プランで計算しているし、建物形状が異なれば必ずしもこの関係が成り立つとは限らないことを、頭の中に入れておいてほしい。(むしろ成り立たないことの方が多い)



計算法による接合金物の選定

@告示の表 AN値計算法 B許容応力度計算(標準法) C許容応力度計算(詳細法)

図をクリックすると拡大

見てのとおり番号が大きくなるほど、金物が小さくなっていっている。

これは詳細な計算を行えば、耐力壁単体のみでなく、カウンターウェイトや直交壁・雑壁等を考慮し、建物全体の挙動として検討を行なうためである。

これからその理由を詳細に説明していこうと思うが、最後まで読んで貰えれば、むやみに金物を減らそうとは思わなくなるはずだ。




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 ©Tahara Architect & Associates, 2003